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鬼の野球
4部分:第四章
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である。
「それがええんや」
「真面目なのは確かですね」
「それは」
 会見を報道する記者達もそれは認めた。まさに彼を評してこう言うのだった。
「鬼ですよね」
「そう、野球の鬼」
「まさにそうですよね」
「赤鬼やな」
 村野はここで笑いながら言った。
「赤鬼や、あいつは」
「確かに。顔がいつも真っ赤ですし」
「そのうえ大きくて力も強い」
 そういうのを見ての仇名であった。
「赤鬼真似得流ですか」
「これはいい」
「その赤鬼がチームをここまでしてくれた」
 村野はまた真似得流を褒めた。
「あいつを置き土産にして。ユニフォームを脱げるのは最高の幸せや」
 村野はこう言い残してチームを去った。極楽は彼が去った後も真似得流を中心として常勝街道を進んでいた。だがやがて。あることが囁かれるようになってきた。

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