機動戦艦ナデシコ
1321話
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ぞ?」
特に現在はエザリアとプロスペクターが交渉をしている真っ最中な訳で、そう考えるとナデシコ側の……そしてネルガル側の借りはかなり大きいものになるのは間違いない。
そんな意味を込めた問いかけだったが、艦長はそんな俺の言葉に対して即座に頷く。
『お願いします。借りだ貸しだなんて言っても、ここを生き延びてからの話です。それに……このネルガルの研究所はシャドウミラーが実効支配する事にしたんですよね? だとすれば、そこを守るのに協力するのはそうおかしな話じゃないと思いませんか?』
本っ当に、テンカワが絡まないと有能だよな。
確かに俺達はこの研究所付近をシャドウミラーの所有地という事にしている。
だとすれば、ここを狙ってくる木星蜥蜴を倒すのは、寧ろ俺の役目と言ってもいいだろう。
で、ナデシコとしても自分達を守る為には戦わなければいけない訳で……そう考えればイーブンという艦長の主張も通らない訳じゃない。
「アクセル?」
コーネリアの確認を求めるような言葉に頷きを返す。
「ああ、エザリアの方には事後承諾って形になるけど、出撃だ」
そもそも、エザリアも今はナデシコにいるんだから、そのエザリアを守る為にも……という考えが一瞬脳裏を過ぎったが、エザリアも自分の身を守る程度の力は十分あるんだよな。
それこそこのナデシコ世界のような世界であれば、エザリアに生身で勝てる奴がどれくらいいる事やら。
「悪いな、ハルカ。そういう訳だ」
「ええ。……頑張ってね」
唇を重ねるだけのキスをすると、ハルカはルリを連れて食堂から出て行く。
当然通信映像も切れるのだが、それを見ていたホウメイガールズの1人コミュニケを起動してくれる。
そこに映し出された艦長は、恥ずかしげに顔を手で覆っていた。
『きゃっ、大胆……じゃなくて、リョーコさんもヒカルさんも出撃準備をお願いします。シャドウミラーと一緒に戦いをするんですから、いいところはどんどん盗んじゃいましょう!』
いや、それを俺の前で言ってどうするんだよ。
こういうのを見ると、艦長が本当に有能なのかどうかは分からなくなる。
「……わーってるよ。ったく。おい、アクセル! あんまりいい気になるなよ!」
食堂の入り口付近で不機嫌そうに俺へと叫びながら走って食堂を出て行くリョーコ。
出て行ったと思ってたけど、戻ってきてたんだな。
「あー、うん。リョーコが怒っても仕方ないか。えっと、じゃあ私もそろそろ行くね」
ヒカルがそんなリョーコの後を追うと、食堂の中にいた者達もそれぞれが自分の部署へと戻るべく立ち上がっているのが見えた。
もっとも、俺に対して嫉妬を含んだ厳しい視線を向ける男がかなりいたが。
堂々とハルカがキスをし
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