第46話
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「船を降りた直後と比べるとずいぶん落ち着いたみたいだし。少なくとも、今やるべきことはちゃんと見えてるみたいじゃない?」
「う、うん……。ルックやエリッサのお母さんが倒れちゃった事を知った時……ヘコんでなんかいられないって逆にやる気が出てきちゃってね。そしたら、モヤモヤした気持ちも小さくなっていっちゃって……。あたし……やっぱ単純なのかな?」
シェラザードに言われたエステルは頷いた後、首を傾げた。
「ふふ、そんなことないわよ。ただ、あんたはどうやら動いていた方がいいみたいね。前に前に進んでいくことで答えを見つけるタイプだと思う。」
「そうね。エステルはどちらかというと行動派だものね?」
「うう……イノシシみたいであんまり嬉しくないんだけど。でも、ありがとシェラ姉、お母さん。何となく……答えが見えてきた気がする。」
シェラザードとレナの言葉に唸ったエステルだったが気を取り直した。
「ふふ……大したことはしてないわ。それにしても……ヨシュアもなかなかやるじゃない。まさかあの空賊娘とよろしくやってるなんてね♪」
「そうねぇ………あの子、昔から女の子にもてていたから、油断していたら、その娘にヨシュアを取られるわよ?」
「そ、そっちに来たか……。ま、まだそういう関係だって決まったわけじゃないってば!」
シェラザードとレナのからかいの言葉にエステルは呆れた後、すぐに否定した。
「あら、そう?たしかちょっと気が強くてボーイッシュな子だったわね。それでいて、どことなく品の良さも感じさせるし……。なかなかイイ線行ってるかも♪」
「シェラ姉、オヤジ……」
「一緒に危機を乗り越えるうちに愛が芽生えちゃったりして……。あ、でもエステル。心配することないんだからね?たとえヨシュアを取られても奪い返してやればいいんだから!」
「……今度こそシェラ姉にはこんりんざい相談しない……」
「もう………シェラちゃんったら………」
シェラザードの話を聞いていたエステルはジト目で睨み、レナは呆れた表情で溜息を吐いた。
「ウソウソ、冗談だってば。ま、ヨシュアについて悩むのはその手の話にした方がいいかもね。その方が年頃の女の子らしいわよ?」
「それはそれでけっこう複雑なんですけど……。……そうでなくてもクローゼのことだってあるし。」
「え?」
(もう………あの子ったら…………帰ったら、女の子の気持ちという物を一から教えないと駄目ね………)
エステルの話を聞いたシェラザードは首を傾げ、レナは心の中でヨシュアに呆れていた。
「な、なんでもない。なんか変に落ち着いたからあたし、そろそろ寝直すけど……シェラ姉やお母さんはまだ起きてるの?」
「ううん、あたしも
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