第44話
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わなかったな………」
「え?」
リウイが呟いた言葉にエステルが首を傾げていているのを見たリウイは机の引き出しから2つの小さな肖像画を出して、エステルに渡した。
「お前が見たという2人の人物………恐らくその2人だろう。」
「あ…………!そう!この人達よ!この人達って一体誰!?」
エステルはそれぞれの肖像画にうつっている人物――ラピスとリンを見た後、血相を変えてリウイに尋ねた。
「黒髪の女性はセルノ王女、ラピス・サウリン。金髪の女性はバルジア王女、リン・ファラ・バルジアーナ。………2人とも俺達の戦友であり、そして俺の側室だった者達だ。」
「ラピス………リン…………」
リウイから出た人物の名前をエステルは繰り返して呟いていた。
「遠い昔に逝った2人が何故お前の前に姿を現したかまではわからんが………もしかしたら、お前の中に2人の魂が宿っているかもしれないな。………その影響で2人の姿が何度も見えたかもしれん。」
「魂が宿るってどういう事??」
「言いかえれば、”転生”をする事です。リウイ様が推測しているのはエステルさん。貴女がお二人の生まれ変わりの可能性である事を指摘しているんです。」
「………………………」
ペテレーネの説明にエステルは黙り、何も返さなかった。
「俺達がお前を”お前”として見なくなるかもしれないという言葉は2人は俺達がお前をお前の中にいる”自分達”としてしか見なくなる事を言っていたのだろう。」
「………………………………」
「エステルさん、あの…………」
何も答えないエステルを心配してかペテレーネが話しかけたが
「………そっか。あの言葉はそういう意味だったんだ。」
「何?」
「え?」
1人納得しているエステルに2人は首を傾げた。
「……ありがとう!お陰でずっと知りたかった事を知れたわ!」
「………お前は自分の中にお前とは別の魂が宿っているかもしれない事になんとも思わないのか?」
「誰があたしの中にいようとあたしは”あたし”よ!例えあたし以外の人達があたしの中にいても……それも含めてエステル・ブライト……この”あたし”なんだから!」
リウイの疑問にエステルは太陽のような笑顔で答えた。
「「…………………………」」
迷いのないエステルの笑顔を見た2人は驚いた表情でエステルを見つめていたが
「フッ………まさかそんな答えを聞く事になるとは思わなかったな………」
「ええ。………あのお2人も貴女に転生した事をきっと誇りに思っているでしょう………」
リウイは口元に笑みを浮かべ、ペテレーネは優しい微笑みをエステルに見せた。
「えへへ……あ、それとさっきから気になったんだけど
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