第44話
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ブライト家に向かう街道、エリーズ街道の霧の範囲を調べ終わったエステル達はある建物が目に入った。
〜エリーズ街道・メンフィル大使館前〜
「あ…………」
エステルは自分にとっては馴染み深い建物――メンフィル大使館とその隣にあるアーライナ大聖堂が目に入り、思わず止まった。
「もしかしてあの建物がリウイ皇帝陛下達が住まわれるメンフィル大使館ですか?」
「ええ。隣にある建物は師匠自ら司祭として務めているアーライナ教の大聖堂よ。……数年前、師匠から魔術を教わっていた時、よく通っていたわ……」
クロ―ゼの疑問にシェラザードは遠い目をして、昔を思い出していた。
「フム。………前から思っていたんだが大使館を守っている兵達は他の大使館と違って、メンフィル兵だよね?やっぱり、大使の身分が違うからかね?」
オリビエは大使館を守っている兵達を見て、クロ―ゼに尋ねた。
「ええ、そう聞いています。帝位を退き、隠居しているとはいえ、リウイ陛下は皇族なのですし。」
「あれだけ若く、強くて隠居って………信じられないわ〜。」
クロ―ゼの話を聞いたエステルは学園祭で見せたリウイの強さの片鱗やリウイの容姿を思い出し、驚いていた。
「ねえねえ、ママ!ツーヤちゃん達に会いにいこうよ!」
そこにミントが表情を輝かして尋ねた。
「………そうね。ヨシュアの事とかも話したいし、会いにいきましょうか!」
ミントに尋ねられたエステルは少しの間考えたが、やがて頷いた。
「しかし、そう簡単にメンフィルの姫君達に会わせてくれるのかな?忘れがちかもしれないが、彼女達は皇族だよ?」
「あ、それは大丈夫よ。なんたってこれがあるんだから!」
オリビエの疑問にエステルは懐から豪華な装飾をされた一枚の手紙を出した。
「……もしかして、リフィアさんかプリネさんが書いた紹介状ですか?」
エステルが懐から出した手紙を見て、クロ―ゼは驚いた表情で尋ねた。
「うん。王都でわかれる時、これをくれたんだ!そのお陰で、これをメンフィル兵に見せれば中に入れてくれるわ。……じゃ、行きましょうか。」
そしてエステル達は大使館の門番に近付いた。
「……ここはメンフィル大使館です。何か御用ですか?」
「えっと………リフィ……っとと。リフィア皇女殿下とプリネ皇女に用があって、来ました。」
メンフィル兵に尋ねられたエステルはいつもの調子でリフィアを呼び捨てにしようとしたが、すぐに言い直した。
「………失礼ですが、殿下達とはどういったご関係で?」
「友人です。……これがその証拠です。その手紙の内容を読んでくれれば、わかります。」
そしてエステルはメンフィル兵に手紙を渡し
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