GGO編
九十五話 力と力
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ある女が居るはずの建物のとなりに来た。出る瞬間に攻撃されることを考え、開けてからしばらくは飛び出さない。そして……
「……っ!」
一気に飛び出し、となりの建物に、銃口を向けた。
そこに、そいつが立っていた。
「よぉ……やっと来たか」
そいつは言った。既に銃口は此方に向けられている。しかし見慣れた筈のそれをみて……ダネルは瞠目する。
何故なら、それが、見慣れた物では無かったからだ。
「そんじゃ、喰らえ」
そしてそれが、その一瞬が大きな隙となったことを、ダネルは認めなければならないだろう。
チェーンソーを立てにする暇も無かった。
次の瞬間、彼は“五体をバラバラにされて”ステージから退場した。
最後に、視界に《You are Dead》が表示される中、彼は小さくつぶやいた。
『……は、反則だ……そんな武器』
────
なんとか、リョウは勝者としてそこに立っていた。
毎回毎回HPをギリギリまで減らしての勝負は正直なところ心臓に悪かったが、これで何とか本戦には進める。
「ふぅ……助かったぜ……」
煙を上げる両手で持った銃を見ながら、リョウはため息交じりに呟く。
それは、余りにも巨大だった。否、他の銃と比べて、と言うべきだろうか。
本体は、四角い銃本体から、煙突のようにバレルが飛び出した形をしている。
弾丸の装填、排莢は同時に行われ、装弾方式はベルトリングと呼ばれる手法を使っていた。
言うまでも無い。機関銃である。ただし、それは唯の機関銃と言うのはあまりに大きすぎた。
それはそうだ。何しろそれは本来“個人が携行、移動することを想定していない”筈の武器。文字通りの、重機関銃と呼ばれるタイプの武器なのだから。
発射される弾の大きさはDEと同じく50口径弾。おそらくリアルの戦場では余りにもポピュラーな銃だろう。そして同時に、それを個人で携行し扱う人間などこの世界でも自分くらいの筈だ。当然である。何故ならそれは本体重量だけでも、ミニガンを遥かに超える。50キロオーバーなのだから。
──戦場に置いて、“それ”は一部の物から、怪物《メデューサ》と呼ばれた──
おそらく、リアルの戦場に置いて殆どの兵士が、個人でそれを向けられれば生を諦めるであろう代物だから。
リョウの、この世界における切り札。
その名を──“ブローニング式M2重機関銃”と言う。
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