GGO編
九十五話 力と力
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それが拳銃で無いことが充分過ぎるほどに分かる形状をしていた。
大きいのだ。
銃自体の大きさは50センチ以上は有るだろう。銃口の下にはフォアグリップが付き、銃身上には光学照準器。何より銃口は……4センチ位の太さがあった。
その武器は、銃器に疎いリョウであっても、用途を知っていた。余りにも有名なフォルムを持つが故に、リョウの記憶にしっかりと染み付いていたのだ。
アサルトライフルの下部に付ける単発式ではない。リョウのXM29のような威力不足と言う問題も持たない。正真正銘、それだけの為に作られた銃器。
『グレネードランチャー……!?』
型番を、MGL-140と言う。
そして、先程から地の底から響く唸りのような音を響かせる……彼の両手に握られる鉄の塊。聞こえていた、エンジン音の正体。
「おいおい、また良い趣味してんじゃねえか」
「……どうも」
答えたダネルが、その切っ先を此方に向ける。
そう、“切っ先”だ。それは刃物であり、刃物では無かった。本来は木材のように、目が粗く斬りにくい物を削り斬る為に使う機械であり、エンジンの力を借りて動く、破壊の権化。
「チェーンソーとは……恐れ入る」
「……行くぞ!」
「っ!」
低い声と共に、ダネルがチェーンソーを斜め下からすくい上げるように振るう。
バックステップで下がったリョウの真横にあった置き看板が、火花を散らしてバターのように斬れた。
「バ●オのチェンさんかってんだ、てめえはぁ!!」
言いながらリョウはライフルをぶっ放す。
聞き慣れた破裂音と共に、発射された5.56x45mm弾が、ダネルの胴体に殺到する。この距離だ、外しようがない。が……
「……むんっ!」
「なっ……!?」
ダネルはそれを、巨大なチェーンソーの刃を盾にして弾いた。
殆どの弾が、その刃に弾き返され、数発が肩や足に当たり、掠り、ダネルのHPを減らす。しかし……
『少ねぇ……!』
減らせた量はざっと全体の7分くらい。先程のグレネードで減ったのだろう三割と合わせても半分も削れていない。
「……ぬぅん!」
「くおっ!」
そうこう考えて居る間に、ダネルが得物を振り下ろして来る。バックステップで避けるものの、右足に掠ってHPが一割吹っ飛んだ。
『糞っ……!』
近接戦闘用の装備は二本のナイフしかない。流石にチェーンソー相手にコンバットナイフでは分が悪すぎる。受けに回らされた瞬間ナイフごと叩き斬られるのがオチだ。と言うか至近距離で放たれた銃弾受けて無事とか、一体全体何で出来ているのだあれは。
そんな事を考えてつつ、リョウは更にバックステップで距離を稼ぐ。同時に……
「あらよっ!」
「……?」
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