第一話
1
大海原に、ぽつんと船が浮かんでいた。
三人も乗れば満員になってしまう、板切れ同然のちっぽけな小船だった。
帆には、カモメのマークに『MARINE』の文字。
、
ぎらぎら……ぎらぎら……。
空のてっぺんに頑固に居座った強すぎる太陽が、かまどの炎みたいにジリジリ照りつけている。
暑い。
夏の海だ。
「(え、なにコレ……、何で赤ん坊になってんの俺)」
ぶつぶつと赤ん坊が何か言っているようだが、ちゃんとした言葉にはなっていない。
「あれ、エングちゃん、オシメですかー」
帆影に座っていた女が、その声を聞き、赤ん坊の近くに寄ってきた。
「オムツじゃない、みたいですね、あ、お腹が空いたのかな?」
オムツを剥がしながら母親らしき女性が俺を抱っこする。
もうお分かりだろうが、どうやら俺は赤ん坊に転生した様子だ。
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