第41話
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いだろう。」
「そ、そんな……」
リシャールの話を聞いたカノーネは目を伏せた。
「だから……ここに改めて宣言しよう。―――只今をもって王国軍情報部は解散する。以後、その任務は軍司令部に引き継がれることになるだろう。カノーネ君……今まで本当にご苦労だったね。」
「……あ…………」
「これでもう……君が無理をする必要はない。私など助けるために命を賭けなくてもいいんだ。だから死ぬなどと……哀しいことを言わないでくれ。」
「リシャール……閣下……。……ううっ……あああっ……。うああああああああッ……!」
リシャールの言葉にカノーネはしばらくの間、大声で泣き続けた。
〜遊撃士協会・グランセル支部〜
「そうですか……。ええ……わかりました。それでは宜しくお願いします。」
「どうだった、エルナンさん?」
通信器を置いて、自分達に振り返ったエルナンにエステルは尋ねた。
「ええ、カノーネ元大尉が事情聴取に応じたそうです。詳しい事情が分かったらギルドにも教えてくれるでしょう。」
「そっか……」
「あの強情そうな女が話をする気になったなんてね。どんな手を使ったのかしら?」
エルナンの説明にエステルは安堵の溜息を吐き、シェラザードはカノーネの事を思い出して、カノーネに口を割らせた方法が気になった。
「ま、そっちの調査は王国軍に任せておくとしよう。俺たちは俺たちで情報を整理したいところだ。」
「そうですね……。では、まずは今回の仕事の報酬をお渡しするとしましょう。細々とした依頼への対応も併せて査定しておきましたよ。」
そしてエルナンはエステル達にそれぞれ報酬を渡し、また、ミントには推薦状を渡した。
「ねえ、クロ―ゼ………レンって本当にメンフィルの皇女なの?」
「………はい。今朝、シルヴァン陛下達自ら私やお祖母様との朝食を望まれて、その際シルヴァン陛下達と共に現れ、陛下達に促されてお祖母様に自分の事を紹介しました。………”英雄王”リウイ皇帝陛下と”闇の聖女”ペテレーネ様の娘にして、”姫君の中の姫君”プリネ姫の妹と。」
エステルに尋ねられたクロ―ゼは頷いて説明した。
「……師匠から次女の話は聞いた事があったけど、まさかあの娘だったとはね………」
「え!?シェラ姉、レンの事を知っていたの!?」
シェラザードの言葉を聞いたエステルは驚き、尋ねた。
「名前とかは知らなかったけど、次女がいる事だけは昔、教えてもらった事があるわ。……ただし、プリネさんの妹――レンは師匠達の実の娘ではなく、養女よ。」
「養女………確かにレンは正真正銘、あたし達と同じ”人間”よね……」
「うん……プリ
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