第36話
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜遊撃士協会・グランセル支部〜
「ただいま〜!」
「おお、戻ってきたか。」
「皆さん、お帰りなさい。」
「お帰りなさい、ママ!」
エステル達がギルドに戻るとジン達が出迎えてくれた。
「ご苦労さまでした。報告書は渡せたようですね。」
「うん、そっちは問題なく。」
「つい先ほど、王国軍から報酬の振り込みがありました。取り急ぎ、それをお渡しておきましょう。」
そしてエルナンはエステル達に報酬を受け取った。
「さすがシード中佐。仕事が早いわね。それよりも……ボース地方に特務兵どもが現れたって聞いたんだけど。」
「やはり離宮の方にも連絡が行ったみたいですね。ちょうどその話をしていたところなんです。」
エステルの言葉に頷いたエルナンは真剣な表情で言った。
「発見したのはギルドの人間らしいな?」
「ええ……。シェラザードさんたちです。」
アガットの疑問にエルナンは頷いて答えた。
「シェラ姉たちが!?」
特務兵達を見つけたのがシェラザード達とわかったエステルは驚いた。
「ラヴェンヌ廃坑の内部でアジトを発見したそうです。生憎、すでに引き払った後だったみたいですが……」
「ラヴェンヌ廃坑の内部……空賊たちと戦った場所か。」
「チッ、盲点だったな……。引き払ったってことはすでに別の地方に行ったのか?」
エルナンの話にエステルは昔を思い出し、アガットは続きを促した。
「それが、ボース地方の各地で特務兵の姿が目撃されたらしく……。現在、国境師団が総力を挙げて調査をしているみたいですね。」
「そ、そうなんだ……。あたしたちもボース地方に助っ人に行った方がいいのかな?」
「いえ、陽動の可能性もあります。現地の状況が分かるまで迂闊に動かない方がいいでしょう。それにどうやら……『結社』も動いているようです。」
「え……!」
「なんだと……!」
(『結社』?……一体何の話かしら……?)
エルナンの説明にエステル達が驚いている中、唯一人レンは聞き覚えのない言葉に首を傾げていた。
「シェラザードさんたちが廃坑のアジトで遭遇したそうです。『道化師カンパネルラ』―――『執行者』の1人みたいですね。」
「フン、また新顔か……」
(……ふ〜ん……どうやらクーデター事件みたいにまだリベールで暗躍している組織がいるみたいね……)
エルナンの話にアガットは鼻をならし、レンは心の中で考えていた。
「更にアジトで奇妙なものが発見されたそうです。まずは『オルグイユ』という導力駆動の乗物の設計図……そして『お茶会』という符牒で語られた謎の計画メモです。」
「『オルグイユ』『お茶会』……。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ