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剣士さんとドラクエ[
90話 仇討
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えるククールは一見、静観するような姿勢にさえ思えた。大切な人を奪われた悲しみはゼシカと同じようにあったものの彼女ほど激情に駆られたものではなく、しかしなにもしないわけにもいかなかった。最初こそこの規格外の強さを誇る味方たちに振り回されていた彼は今、一つの想いを抱いている。それを伝えることは叶ってはいないが、この巨悪を倒すことがそれに繋がる一歩にすら思えていた。そして何よりここにいることは大切な人を守ることに他ならず、「騎士」たる姿に違いなかった。

 空中に浮かぶドルマゲスはおもむろに目を開ける。憎しみを、怒りを込めて睨みつける者たちを視界に収め、怒りを露わに、しかし悟ったように……それでいてニヤつきを止めることが出来ずに不気味な笑い声をあげる。悲しいなあと言いながら、戦いを受け入れ、二度と邪魔をさせるものかとその邪悪な力を解放した。杖を握り、向かってくる「銀髪の」少女に向けて複雑な気持ちを抱きながら。

・・・・

 身体が万全ではないから癒やしていた?身体にぴりぴりと邪悪な力を叩きつけられてそんなことを言われたらちょっと私でもびっくりというか、怖いというか!こんなに強者の臭いをさせながら万全じゃないなんて……万全じゃなくてよかった!武人として、剣士として、騎士としては正々堂々一対一、それも両者万全で戦いたいところだけど今はなんとしてもドルマゲスを倒さなきゃいけないわけで。ああ、ちょっとプライドが傷つくような気がするけど良かったって思う。

 髪の毛は当然のように脱色し、わからないけどおそらく目も紫色に染まる。体調に問題はない。それどころかなんか、いつもより力が出る気がする!えっと……ククールの目の前で鉄格子を引き裂いた時みたいに!

 地面を蹴って跳躍、一気にドルマゲスに近づいて斬りこむ!いなされても溢れかえる力で地面を砕きつつ蹴ってまた突撃!なんてことが出来るわけだ!ククールから飛んできたスカラの赤い光を浴びながら隼斬りを何度も何度も繰り返す!すると……分裂?!本体らしきドルマゲスが私を相手取り、分裂体がエルト、ヤンガスに向かうというひどい状況になってしまった。斬ったら増えるの?水につけたら増えるとかなの?人間かこいつ!

 杖で胸を刺されそうになって盾で受け止め、むしろそのまま盾をぶち当てて反撃し、足を切落……せない!瞬間移動なのか、予備動作無しに消えたドルマゲスは不気味な笑い声をあげながらかまいたちを放ってくる!思わず剣でかまいたちをもっともっと鋭く発生させてぶつけてみれば打ち勝っちゃったけど!え、なにこいつ一瞬固まってんの、なんで気味悪く笑い出すの!気持ち悪い!感情を抑えて討伐しないといけないのに鳥肌立ったんだけど!

 斬り込む、躱される、振り下ろす、躱される、突かれる、むしろ叩きこむか剣で受け止めて反撃する、かまい
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