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深海棲艦の発生と艦娘の出自記録
乙姫に関する記録
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の鎮静器具の携帯を義務とする。─統括委員会




露木研究員の報告─1935年3月3日

ここ数週間、乙姫は水鬼に関する情報を積極的に集めようとしています。
私や他の研究員への積極的な質問や卓上書類の勝手な閲覧、看過できないものとしては立入禁止区域や役員の事務室への侵入未遂などです。
隔週のカウンセリングでも不安の兆候が見て取れます。
これは早急に解決すべき問題と提言します。
乙姫との信頼関係や彼女の精神衛生が損なわれることがあれば、我々の研究に歯止めをかけることになるからです。


提言を支持し、対策を検討する。─伊賀崎







露木研究員の報告─1935年3月10日
乙姫が度々、施設内の物品に話しかける様子が見てとれます。
ストレスによる一種の逃避行動なのかもしれません。
経過観察を続行中です。
記録の為、乙姫の関連書類にもこの事について追記するべきでしょう。




聴取記録─1935年3月15日

伊賀崎特務調査員による聴取が行われました。


対象者:乙姫

伊賀崎:今日もいくつか質問したいのだが大丈夫かな?
乙姫:<沈黙>
伊賀崎:心配いらない。水鬼についての事じゃない。
乙姫:なら……大丈夫。
伊賀崎:質問というのは君の行動についてだ。
   ほら、たまに物に話しかけている時があるだろう。
   この前だと蓄音機と話をしていた。
乙姫:彼は情熱……情熱的。
   音楽を愛している。
伊賀崎:それはどういう感じで伝わってくるのだろうか?
   声が聞こえるのかな?
乙姫:声は聞こえない。
   伊賀崎さん達とお話をする、そうゆうのじゃない。
   彼らの考えがわかる。
   説明難しい。
伊賀崎:大丈夫だ、大体……理解している。
   そうだな。じゃあ、例えば……

<伊賀崎は近くにいる警備員の所持しているライフル銃を指差す。>

伊賀崎:あの銃と話はできるか?
乙姫:やってみる。

<乙姫は約30秒間沈黙する。>

伊賀崎:何か聞こえた?
乙姫:あれは怒っている。
   早く掃除してくれって。(※1)

(※1)後の調べでこのライフル銃は書類上の漏れが原因で定期清掃を3年行っていないと判明しました。

伊賀崎:なるほど。
   まぁ、たしかに少し……汚れて見える。
乙姫:かなり怒ってる。
   早く掃除したほうがいい。
伊賀崎:じゃあこれと話はできるかな?
   私の持っているペンだ。
乙姫:それは……無理。
伊賀崎:どうして?
乙姫
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