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深海棲艦の発生と艦娘の出自記録
乙姫に関する記録
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乙姫は非常に友好的な態度で敵対的な行動は見せていません。
しかし、心理評価は成されていないので注意を怠るべきではありません。
警戒行動と監視体制は常に最高水準を維持すべきです。

乙姫についてはいくつかの注目すべき点があります。
一つは彼女の身体障害についてです。
心因性の歩行障害を患っており、筋力や骨密度に異常はありませんが常人と同様の歩行が非常に困難なようです。
直立や歩く事自体は可能ですが、後者はかなり遅くまた本人にとっては苦痛に感じるようです。
現在、主な移動は車椅子で担っています。

二つ目の点として体色が変わる現象が見てとれます。
その姿は昨今目撃されるいくつかの水鬼と同様に真っ白な肌と髪、赤い目になります。(以後、これを"活性化"と呼称)
乙姫が水鬼として報告されたのはこの特性が原因です。
証言では特別な活動状態時に起こる現象らしく、これらは本人の意思で操作が可能なようです。
活性状態はかなりの体力を消耗し、休養が必要になります。
非活性状態になれば体色は元に戻ります。


追記:1935年3月16日
度々、収容室内の物品や施設の機器や家具にまるで人と会話するかのように話しかけている姿が観察されています。
例としては書物や机、警備員が装備している小火器です。
これが一つ目の特徴に起因する何らかの反応なのか、乙姫の種における独自の宗教的感性なのかは判明していません。
経過観察は引き続き継続されます。
(聴取記録─1935年3月3日)を参照してください。






<i5434|37032>
歩行訓練の途中で休憩する乙姫。敷地内にて。非活性化状態。1935年3月1日










聴取記録─1935年2月25日

伊賀崎特務調査員による聴取が行われました。

対象者:乙姫
補佐、注釈執筆:露木 洋子 研究員

※露木研究員は乙姫の生活補佐および起源の研究に従事しています。
※生活補佐を担当していることもあり組織内で乙姫の信頼を最も得ていると予想できる人物であること、また乙姫が時折喋る未知の言語の聞き取りの為同席しました。
※注釈による翻訳は完璧ではありません。執筆時点での未知の言語に対する解明は全体の3%ほどと予想されています。




伊賀崎:やぁ、■■■■■■■■。(検閲および削除) 体調はどうかな?
乙姫:伊賀崎さん。白ちゃん(※1)と呼んで。お願いしました。
    体調は良いです。

(※1)回収前に地元の子供達に付けられた愛称のようです。本人は大変気に入っている様子です。

伊賀崎:ああ、これはすま
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