暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
110話:『星々(れきし)』(中編)
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見やり、銃を向けるようにこちらを指差してきた。


『『さぁ、お前(きみ)の罪はどうだ(い)?』』


 罪、と聞かれ考える。しかし、そんなものはもう既に決まっていた。


「―――仲間を、裏切った…」
『うん』


 敵の手に落ち、仲間達を不安にさせた。


「―――大切な奴らを、傷つけた…ッ」
『おう』


 あいつらに刃を向けて、襲い掛かった。


「―――あいつらを、守れなかった…!」


 あいつらの大切な命を、多くの命を守れなかった。


「これら全部は俺の罪だ、わかってる…わかってるんだ。でも…」
『でも?』
「逃げたくない、諦めたくないんだ。助けられなかった命も、傷つけてしまった事実も。全部全部背負い続ける…」


 拳を握り、力強く語る。この人達とは全く違った、重みも違う罪。だけどそれらをポイッと捨てられる筈もない。
 全部背負うと決めた、たとえ偽善と言われようとも、無駄だと言われようとも。


『……いい覚悟だ』


 ふと、少しの間があった後笑みを浮かべて言う青年。
 それだけの覚悟があれば戦える、そう言うと再び帽子を押さえ、またも口を開いた。


『だけど忘れるな、お前はアイツらに信頼されているってことを』
『そして忘れないで欲しい。信じるということは、とても難しいことだってことを』


 誰かに信じてもらう為には、まずは自ら誰かを信じることから始めないといけない。
 それを聞いて、分かっていると返す。


『忘れんなよ、人間なんて完璧じゃねぇんだ』
『「Nobody's Perfect」…互いに支え合って生きていくのが、人生というゲームだよ』
「……はいッ!」


 負けるなよ、と。諦めないで、と。
 それぞれ彼ららしいエールを受け取り、返事を返す。すると二人は一つの光となり、バックルへと入り込む。熱き炎≠ェ新たに灯る。

 いくつもの光、その中でひと際輝く隣り合った二つの星。共に支え、頼り、戦い抜いた信頼≠フ星。
 頬を撫でる柔らかな風、心まで包み込んでくれそうな暖かさを力に変え、一歩踏み出す。

 ―――進め、共に歩む為に、戦う為に。

 













「だああぁぁぁぁぁ!!」


 銀色のマフラーをなびかせる風を力に変え、振り上げた足を繰り出す。
 回し蹴り、踵回し蹴り。二種類の連続蹴りは肩や腹、顔へと命中。相手を一気に怯ませ、最後の一撃で大きく吹き飛ばした。

 体の色は中央から左右がそれぞれ紫、緑の一色に変わり、複眼は楕円形の赤いものへ。
 頭部には特徴的な角、風によってひらひらとなびく白銀のマフラー。

 小さな街のヒーローとし
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