第1章 青天の霹靂
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れてあった。
***
「一 望」のver.2.0製造完了と交換作業について
<ver.2.0製作依頼人>
一 門司(にのまえ もんじ) 続柄:実父
一 文恵(にのまえ ふみえ) 続柄:実母
<作業内容>
1) “一 望”のヴァージョンアップ版が完成したので旧式と交換する。
2) 交換された旧式の“一 望”は、“ムーンライト”居住エリアに、職種のみ継続させる形で移動させる。
3) なお、同行に、“激しく”抵抗され、やむなしと判断された場合、“サタメント”、の使用を許可する。
<担当者>
黒服3名、“一 望 ver.2.0”(交換後、“一 望”を名乗って良い)
<指令部署>
世界統治機関“ガーディアンフェザー” アップデート管理部門
<担当長>
管理部長 草薙 (実印)
***
(某月某日 午後3時 某都市 某所 喫茶店『望名』)
望は思った。本気で“やばいのに”店に入ってこられた。
こいつは、新手の新興宗教か、たちの悪い偏った“金巻き上げ連中”だ。
とにかく落ち着こう。こういう輩を巧く店外に追い出すためには、こちらが乱れてはダメだ。
書面が、まず、全く分けわからない事だらけだし、うさんくさいし、厨二だし。ただ、どこの“名簿屋”から情報を買ったのか知らんが、俺の両親の名前だけは合っている。
とにかく助けを呼ぼう。両親が依頼者とか、どうせブラフだ。まず、親に連絡して、向こうから警察を呼んで貰おう。
望「ちょっと電話していいですか? 確認を取りたいです」
黒服B「構わんよ。“デイライト居住エリア”でいられる少ない時間だ。心残りがあってはいけないからな」
望は冷や汗をかき始めた。こいつら書面だけでなく、当人連中ですらも厨二っぽい事を言っている。
『とにかく助けを呼ばないと…』
望はスマホの画面が見えない様に気をつけながら、電話帳アプリから両親の実家の固定電話に電話した。
トルルルルル トルルルルル
30コールしても出ない。留守電にも設定されていない。
望(る、留守なのかよ、じゃあ、母さんの携帯だ)
今度は母親の携帯に電話をかけた。
トルルルルル トルルルルル
同じく30コールしても出ない。電波の届かない所にあるわけでもない。おそらく、家に携帯はあるが、何かの理由で本人がそこにいないのだ。
冷や汗がどっと出た。どうしてこんな緊急事態に! 仕方ない、親戚は後で何を言われるかわからんから、次は友人だ、それも一番信用の置ける友人を選んで電話するんだ。そこから警察に電話して貰おう。そうだ! “敬吾”だ! “敬吾”がいい! あいつは信頼できるし、相談に乗ってくれる!
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