第33話
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名前が気になり、尋ねた。
「………”イリーナ・マーシルン”。………その方が父上の愛妻にして、メンフィルの歴史に伝えられる伝説の妃だ。」
(……ん?どこかで聞いた名前だね?)
「”イリーナ・マーシルン”………あれ?確か、リフィアの本名で同じ名前があったような………?」
シルヴァンから告げられたリウイの愛妻――イリーナの名を聞いたオリビエは首を傾げ、エステルは呆けた後、ある事に気付いて尋ねた。
「………あの娘には父上と共に人と魔の共存を目指した方を忘れて欲しくなくて、イリーナ様の名を頂いた。………あの娘もそれをわかっているのか、”イリーナ”という名前が自分にある事に誇りを持っている。」
「そうね。人と魔の共存を願ったイリーナ様のようになるためなのか、あの娘ったら光と闇………両方の魔術を収めているからね。………イリーナ様はあの娘が尊敬している数少ない方よ。」
「そうだったんですか……………」
リフィアの本名の真実を知ったエステルは驚いた表情をしていた。
「話がそれて悪かったな。」
「そ、そんな!凄く貴重なお話が聞けて、凄くよかったです!」
軽く謝るシルヴァンにエステルは恐縮しながら答えた。
「さて………話はこれでお終いかしら?」
「あ、ちょっと待って下さい。まだ、聞きたい事があるんです。」
そしてエステルはレンの両親の事をシルヴァン達に説明した。
「ハロルド・ヘイワーズ………悪いが心当たりはない。私達は最近、こちらの世界に来たばかりでな。どちらかと言うと、父上の方が知っている可能性がある。」
「やっぱり、そうですか…………ご協力、ありがとうございました。」
シルヴァンの答えを予想していたエステルは納得した後、お礼を言った。
「ふむ………代わりと言ってはなんだが、君が引き取った竜の娘の親友――ツーヤのその後の話なら教えられるが?」
「え!?本当ですか!ツーヤ、あの後はどうしているんですか!?ミントも凄く気にしているんです!」
シルヴァンの話を聞いたエステルは身を乗り出すかのように尋ねた。
「ツーヤという女性だが………才能があるのか、淑女や侍女見習いが学ぶ礼儀作法は数日で極め、武も相当の腕を持っていて、ファーミシルスが直々に鍛えた親衛隊員と遜色ない強さになり、皇女であるプリネの傍仕えとして相応しい者だよ。」
「ツーヤちゃん、プリネさんの傍にいる為に凄く頑張ったんですね………」
「ふえ〜………それを聞いたら、ミントも凄く喜ぶだろうな………ってあれ?”女性”??ツーヤの見た目は”女の子”なんですけど。」
ツーヤのその後を聞いたクロ―ゼは感心し、エステルは驚いた後、シルヴァンの言い方に首を傾げた。
「ああ、言い忘れて
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