第31話
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グランセル城に到着したエステル達はまずヒルダと女王に尋ねる事にし、予定外の客達――現メンフィル皇帝、シルヴァン達の歓迎パーティーの準備で忙しく駆け回っていたメイド――シアを見つけ、ヒルダの居場所を聞いた後、ヒルダがいる広間に向かった。
〜グランセル城内・1階広間〜
「クローディア様!?それにエステルさんも……」
クロ―ゼとエステルに気付いた女官長――ヒルダは驚いた。
「ヒルダさん。ただいま戻りました。」
「えっと、お久しぶりです。」
「ええ、本当に……。姫様がエステル殿に協力なさっていることは私も存じ上げております。2人とも……ご無事で何よりでした。」
変わらず元気の様子のエステル達を見てヒルダは微笑んだ。
「ヒルダさん……」
「ふふ、ありがとう。実はここに戻ってきたのはギルドの調査を兼ねてなんです。メンフィルの王様達を歓迎するパーティーの準備で忙しいと思うのですけど、ヒルダさんに少々お聞きしたいことがありまして。」
「私でよければ何なりと。ただ、エステルさんの申しました通りあまり時間がとれないので、そこはご了承下さい。………ここで話すのはいささか人の目がありますね。客室を使わせていただきましょう。」
ヒルダの提案に頷いたエステル達はヒルダと共に客室に向かった。
〜グランセル城内・客室〜
「なるほど……。例の脅迫状の調査をなさっているのですか。では、お知りになりたいのは犯人の心当たりでしょうか?」
エステル達から脅迫状の件を聞いたヒルダはエステル達に確認した。
「はい、正にそれです。とりあえず脅迫状の届いた所を一通り回ってみることになって……」
「それはご苦労様です。ですが、心当たりといってもさすがに見当も付きませんわね。城の人間がやったのではないことだけは自信をもって断言できますが……」
「うーん、やっぱりそうよね。」
「城に届いた脅迫状は誰に宛てたものだったのですか?シード中佐は王家宛とおっしゃっていましたが………」
ヒルダの話を聞いたエステルは唸りながら頷き、クロ―ゼは心配そうな表情で尋ねた。
「恐れながら女王陛下に宛てたものでした。陛下宛ての不審な手紙は検めさせていただいていますから私も内容は存じております。まったく、恐れも知らぬ不届き者がいたものですね。」
「ちょいと失礼……。他に、城に届けられた手紙で不審なものはありませんでしたかね。王室に対する批判めいた内容の文書とか。」
「それは……」
ジンの質問にヒルダは言葉を濁したが
「ヒルダさん。私の方からもお願いします。できるだけ多くの判断材料が欲しいんです。」
「そこまで仰られるなら……。幾つか無記名の
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