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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第31話
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が軍拡主義者ならばそう言えるかもしれませんね。リシャール大佐が逮捕された今、彼らに事を起こす力はありません。問題は、それ以外の人間が脅迫犯だった場合なのですが……。その可能性については私にも見当がついていない状況です。」

ジンの質問に答えた女王は目を伏せて、犯人に目星がつかない事を語った。

「そうですか……」

「アリシア女王。1つお聞きしてもよろしいか?」

「ええ、何なりと。」

そこにオリビエが女王に尋ね、尋ねられた女王は頷いた。

「陛下はなぜ、今この時期に不戦条約を提唱されたのですか?何しろクーデター事件の混乱も完全に収まりきってはいない状況だ。今は国外よりも国内のみに目を向けるべきだと思うのですが。」

「ちょっとオリビエ……」

オリビエの際どい質問にエステルはオリビエをジト目で睨んで注意した。



「ふふ、オリビエさんの仰る通りかもしれませんね。ですが不戦条約に関してはクーデター事件よりも以前に三国の政府に打診していました。それを遅らせたとあっては国家の威信にも関わるでしょう。それに『クロスベル問題』も再び加熱しているようですしね。」

「ほう……」

「クロスベルって……レンちゃんの住んでる自治州?」

女王の答えを聞いたオリビエは感心した声を出し、エステルはある土地名が出た事に驚いた後、尋ねた。

「ええ、エレボニアとカルバードの中間に存在している自治州です。近年、この自治州の帰属を巡って両国は激しく対立してきました。」

「ま、帝国と共和国のノドに刺さった魚の骨みたいなもんだ。それに関するイザコザをひっくるめて『クロスベル問題』って言われている。」

「そっか……そういう場所だったんだ。」

女王とジンの説明を聞いたエステルは納得した。

「つまり、不戦条約を通じてリベールが魚の骨を抜く……。それを狙ってらっしゃるのですね。」

そしてオリビエは感心した様子で尋ねた。

「一朝一夕に片づく問題ではないでしょう。ただ、そのきっかけを提供できればと思っていました。そしてそれは、大陸西部の安定とリベールの発言権を高めることにも繋がるはずです。」

「フッ、お見それしました。どうやらリベール侵攻は想像以上の愚行だったらしい。それを改めて痛感しましたよ。」

「今さら何を言ってるんだか……。あ、そうだ。ちょっと話は変わりますけど。」

オリビエの発言に呆れたエステルだったが、レンの両親の事を女王に説明した。



「まあ……そんなことが。」

「さすがに女王様には心当たりはないですよねぇ?」

話を聞き、驚いている様子の女王にエステルは確認した。

「ええ……申しわけありませんが……。グランセル城を訪ねていたらヒルダ夫人が知っ
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