第31話
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らいます。」
そしてエステル達は女王と共に女王の私室に向かった。
〜女王宮・アリシア女王の私室〜
「そう……。脅迫状の件で来たのですか。まさか、各国の大使館や教会にまで届いていたとは……。単なる悪戯とは思えなくなってきましたね。」
エステル達から事情を聞いた女王は真剣な表情で答えた。
「はい、そうなんです。そこで、関係者から話を聞いて脅迫犯についての目星をつけようということになって……」
「お祖母様は、今回の件に関して何か心当たりはありませんか?特に国内に関してですけど……」
「そうですね……。クローディア。あなた自身はどう思いますか?」
クロ―ゼの質問に対し、女王は逆にクロ―ゼに問い返した。
「私……ですか?」
「あなたも王位継承者ならば日頃から国内情勢について考えを巡らせているはず……。それを聞かせてもらえますか?」
「は、はい……。………………………………」
女王に言われたクロ―ゼは頷いた後、しばらくの間考え、そして答えを言った。
「不戦条約そのものに関して国内で反対する勢力はほとんどないと思います。ですが、クーデター事件後、極右勢力が追い詰められているという話を聞いたことがあります。それが脅迫状という形で現れた可能性はあるかもしれません。」
「ふふ……さすがね。私の意見も大体同じです。」
クロ―ゼの答えに満足した女王は頷いた。
「えっと、どういう事ですか?」
話を理解できないエステルは尋ねた。
「リシャール大佐以外にも軍拡を主張していた人々は少なくありませんでした。ですがクーデター事件後、そうした主張は完全に封じられた形になっています。さぞかし不安と不満を募らせていることでしょうね。」
「えっと、要するに……リシャール大佐以外の軍拡主義者の嫌がらせですか?」
「そう言っても差し支えないかもしれません。もしそうだとしたら……それは彼らの罪というより他ならぬ私の責任でしょうね。リベールでは言論の自由が認められているのですから……」
エステルの質問に答えた女王は辛そうな表情で答えた。
「お祖母様……」
「あんまり同情する必要ないと思うんですけど……」
「いえ、言論の自由というものは何よりも増して貴いものです。軍拡論にしても、愛国の精神から来ているのは間違いありません。そうしたものをすべて検討しつつ国の舵取りをしていくこと……。それが国家元首の責任なのです。」
女王は真剣な表情でエステル達に語った。
「………………………………」
その様子をクローゼは黙って見ていた。
「ふむ、しかしそうなると……実際に条約が阻止される危険は低いということですかね?」
「脅迫犯
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