第36話黄昏た夕空の上で
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ライリュウは《神聖剣》の剣と盾、両方を失った茅場に急接近し、最後の一撃ーーー
「これで終わりだァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
霧島弾の力、《槍》突進系ソードスキル《フェイタル・スラスト》を放ちーーー茅場の心臓を貫いた。
「・・・見事だ、ライリュウくん。私の・・・負けだ」
茅場晶彦は自分を貫いたライリュウを見て、どこか清々しそうに敗北を認めた。とても満足そうな顔でーーー
「・・・オレの名はライリュウじゃねぇ」
茅場晶彦に呼ばれた名前を、ライリュウは否定する。そして、顔をあげたライリュウは言葉を繋ぐーーー
「オレの名前は《隻腕のドラゴン》ライリュウじゃねぇ。アンタの世界を壊した《小さな巨人》、神鳴竜だ・・・!!」
このセリフ機に、この世界の神はーーー茅場晶彦は光欠片となり、世界から消滅した。
そしてーーー
【11月7日14時55分、ゲームはクリアされました。ゲームはクリアされました・・・】
アインクラッド中にアナウンスが流れ、全プレイヤーにゲームのクリアが報じられたーーー
******
ゲームをクリアした少年、神鳴竜は目を開いた。そこはまさしく、黄昏た夕空の上。彼はそのーーー空に立っていた。
「ここは・・・」
彼は自分が立っている場所がどこなのか確認しようと、右手でシステムウィンドウを開いた。そこに表示されていたのはーーー
【最終フェイズ実行中、54%】
これは何を示しているのだろうか。彼にもそれは分からないだろうーーー
「竜兄!」
「!?」
突然、自分を兄と呼ぶ声が聞こえた。その声の主は最も自分と近い存在。その声の聞こえた方へ振り向くとーーー
「未来!?」
神鳴竜の妹、周りの人間からミラと呼ばれていた少女、神鳴未来。第47層の自宅で帰りを待っていた妹が、自分の目の前にいる。その妹は兄である竜に駆け寄り、抱擁を交わした。
「終わったんだね・・・」
「あぁ、終わったよ。ところでここはどこだ・・・?」
抱き合った兄妹は戦いが終わったことに喜び、兄は喜びつつも自分たちが今立っている場所に対する疑問をぶつけるがーーー自分たちよりも遥か下に浮かぶ浮游城を眺めて、現状を把握した。その浮游城アインクラッドは、ボロボロと外装の下の部分から崩れ初めている。
「中々に絶景だな・・・」
『!?』
二人の他に誰か、男性の声が聞こえた。その声の主は彼らのすぐ側にいた。それは今まで彼らがいたあの城の世界観とはかなりかけ離れた研究者の白衣を着た男、彼らをあの城に閉じ込めた張本人ーーー
「茅場晶彦・・・!!」
茅場晶彦ーーー《ソードアート・オンライン》というデスゲームを開発し、つい先ほど神鳴
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