第159話
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「本当か!?」
その言葉を聞いて麻生もベットから出る。
点滴スタンドを掴んで急いで集中治療室に向かう。
身体が全快ではないので早く走る事ができない。
集中治療室に向かうと愛穂は冥土帰しの健診を受けていた。
俺達がやってきた事に気がついたのか視線を麻生達に向ける。
桔梗と麻生は集中治療室に入ると中には制理もいた。
冥土帰しは健診を終えたのか長くならないようにね?、と一言告げて出て行く。
「愛穂、身体は・・・」
麻生がそう言うと愛穂は無くなった左腕と右足を軽く動かす。
「見ての通りじゃん。」
彼女は麻生が深く思いつめないように冗談めいた感じ言う。
それでも麻生は俯いてしまう。
「すまなかった。
俺がもっとしっかりしていればお前は・・・・」
「恭介のせいじゃないじゃん。
ウチは恭介を助けたかったから行動してその結果がこれじゃん。
だから、後悔なんてしないよ。」
愛穂はそう言うが麻生は依然と俯いたままだ。
それを見かねて桔梗がベットの傍に近づいて言う。
「思っていた以上に元気ね。」
「桔梗も吹寄も元気そうで何よりじゃん。」
「先生、本当にあの時はありがとうございました。」
改めて制理は深く頭を下げる。
あの時、愛穂達が制理を助けなかったら制理は死んでいただろう。
桔梗には昨日の内にお礼を言っていた。
「気にしなくていいじゃん。
ウチは警備員であんた達の教師じゃん。
助けるのは当たり前じゃん。」
「でも、その腕と足じゃあ警備員の仕事は・・・」
桔梗は切断された腕と足を見る。
冥土帰しの適切な治療のおかげか、包帯を巻いているが出血はしていない。
「その事なんだけど、さっきの先生に言われて義手と義足を用意してもらう事になったじゃん。
何でも神経に直接繋げて、人間の腕と寸分変わらない物を用意するって言ってたじゃん。」
「そんな事を彼は言ったのね。
本当に規格外な医者ね。」
呆れたような口調だが、内心では感謝している。
「義手と義足の用意にそれらを動かすリハビリ。
何とか早めに終わらせるつもりじゃん。」
「あの子達の面倒はしばらく私が見ているわね。」
「お願いするじゃん。」
あの子達の面倒とは一方通行と打ち止めの事だ。
だが、愛穂は一方通行がどうなったかは知らない。
桔梗はその事を伝えずに話を終える。
そんな話を他所に麻生はずっと俯いていた。
そして、愛穂に近づいて右手を強く握りしめる。
突然の行動に愛穂達は首を傾げる。
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