新暦76年
memory:05 お祭り
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……うぅ、もしそうならどうしよう……」
変な考えが頭の中をグルグル巡りだすと次第に不安が募ってくる。
「……うん、ユーリを探してありがとうとごめんなさい言わなくちゃ」
怒られるかもという不安を抱きながらも覚悟を決めてユーリを探し始めた。
「どこに行ったんだろう……」
コテージ内にはユーリの姿はなかった。
「ママたちは寝てたけど、はやてさんは起きてたみたい。部屋にはいなかったし…散歩してるのかな?」
念のために全部のコテージの中を探してみたけど、やっぱりどのコテージにもユーリの姿はなかった。
ただ、ユーリと同じようにはやてさんの姿が見当たらなかった。
「あれは…はやてさん?」
そうこう考えながら二人を探していると真剣な眼差しで何かを見ているはやてさんを見つけた。
ゆっくりと近づこうとすると私に気付いて、口元に指を当てながら手招いた。
≪おはよーさん。いつもこんな時間に起きよんか?≫
≪おはようございます。今日は特別…というか目が覚めちゃって。ところで何を見てたんですか?≫
≪あれや。ほら、あそこ≫
≪え? あっ、あれってユーリ? いったい何を……?≫
ずっと探していたユーリは自分の倍以上はある巨大な氷柱や氷塊と対峙し、腰に差す刀に手を添える構えのままじっとしていた。
≪魔法に体術に剣術。基本的には悠莉の元いた世界で学んだ技術の練習やな。まぁ、これらはいつもじゃなくて定期的に練習をやっとるみたいなんやけどな。で、さっきまで魔法と体術の練習やっとって、今はその時にできた氷柱使うて剣術、しかも抜刀術やな。……動くみたいや≫
刀に添える手がぶれたかと思うと次の瞬間、切り上げられた氷柱は真っ二つになる。
すでに刃は鞘に収まっていて次を切ろうとしていた。
今度は払いながらの抜刀と同時に衝撃波が生まれ、粉々になった。
そして最後、一番大きな氷塊を蹴り上げ、抜刀から無数の剣閃を走らせた。
その後、ユーリの鍛錬に夢中になってずっと見ていた。
そのせいでユーリを探していた目的を忘れてしまって、それを思い出したのはそれからしばらく後になってからだった。
-side end-
-side 悠莉-
ヴィヴィオの様子がおかしい。鍛錬の後、覗いていた姉さんとヴィヴィオに声をかけるとあうあう言って走って逃げちゃうし、食事の時はこっちを視線を感じてヴィヴィオに目を向けると顔を逸らす。なのはさんたちもそんな様子に首を傾げていた。
「私何かした? 心当たりもないんだけどな……」
「悠莉君やっぱりヴィヴィオちゃんのことが気になる?」
「当たり前ですよ。年は離れてても友達ですからあんな感じに避けられてたら少しは傷つきますよ。……まぁ、同時にからか
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