第116話
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
マンサー”達からその後の話は聞いたが、立派になったな……」
ナタリアに微笑まれたバダックは静かな笑みを浮かべてナタリアを見つめた。
「まだまだですわ。私は国王としてまだ何も成し遂げていないのですから。お父様……一つだけ訊ねたい事があるのですがよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「アブソーブゲートでお父様が死の間際に私達に向けたあの言葉――――『敵に情けをかけるな。そんな生半可じゃあいつ―――ヴァンは倒せない』……あの言葉は父親として私に生き延びて欲しいと願った言葉かお父様は私の敵ですから非情の心で自分もヴァンも倒せ……どちらの意味であの言葉を私達に向けたんですの?」
「ナタリア………」
「……………」
ナタリアのバダックへの問いかけを聞き、かつての出来事を思い出したアニスは辛そうな表情でナタリアを見つめ、ジェイドは静かな表情で黙って見守っていた。
「…………フッ……親ならば、自分よりも子供に生きて欲しいと願うのが親としての常識と言えば満足か?」
「!!そう……ですか……………そうですわよね………」
静かな笑みを浮かべて自分を見つめ返したバダックの答えを聞いて目を見開いたナタリアは一筋の涙を流して嬉しそうな表情でバダックを見つめた後涙をぬぐった。
「中将やアニスから既に聞いていると思いますが、私、アッシュと結婚して世継ぎもできましたの。」
「ああ、聞いている。”六神将”としての奴しか知らない俺とすれば、奴ごときがお前と結ばれたのは父親として色々と複雑だが、お前が幸せならばそれでいい。――――最も、万が一奴まで今回の事態に巻き込まれて封印石に封印されていたら、奴が解放された時に最低でも100発は殴るがな。」
「もう、お父様ったら。父親が娘を貰う男に殴るのは普通は一発と聞いておりますわよ?」
バダックの答えを聞いたナタリアは苦笑し
「お父様……もしよろしければ、元の世界に帰還するまでに私のお腹の中にいるこの子の名前を考えて頂けますか?」
「俺が………か?」
ナタリアの提案を聞いたバダックは目を丸くした。
「はい。……いけませんか?」
「いや……お前がいいのならば、喜んで考えさせてもらおう。」
「フフ、ありがとうございます。元の世界に帰還できるのがいつになるかわかりませんが……せめてそれまでの間だけは娘としてよろしくお願いいたしますわ。」
「ああ……こちらこそよろしく頼む。」
そしてナタリアの言葉にバダックは静かな笑みを浮かべて頷いた。
(あ、あの……バダックさんがナタリア陛下の父親とは一体どういう事なのでしょうか……?バダックさんがナタリア陛下の父親と言う事はバダックさんもソフィさん達と同じ………)
(ハハ、後で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ