暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
異伝〜遥かなる記憶 第2話〜(3章開始)
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
………ごめんな………ごめんな………ケビン………でもお母さん………もう………疲れてしもうたんや………だから………だからな…………ケビン………このまま………お母さんといっしょに………





〜紫苑の家〜



「!!!はあっ、はあっ、はあっ、はあ………………また、か。くそっ、あれから何年経ったと思ってんねん……よりにもよって姉さんのせっかくの晴れの日に………こんなんじゃ、いつまで経っても心配かけてしまうだけやんか………」

夢にうなされ、起き上がった少年は息を切らせた後、舌打ちをした。

「………そんなのいまさらだと思うけど………」

「!!!」

誰かの声に気付いた少年が声が聞こえた方向を見上げると、そこには掃除用具を持った少女が少年を見つめていた。

「リ、リース………脅かすなや!いつからそこにいたんや!?」

「さっきから、ずっと。礼拝堂の掃除当番なのにケビン、起きてこないから。見に来たらうなされてたからゆすって起こしてあげた。」

少年――ケビンに尋ねられた少女――リースは淡々とした口調で答えた。



「そ、そっか………はは、なんか心配かけてしもたみたいやな。」

「べつに………いまさらだし。ケビンがヘタレなのは今に始まったわけじゃないもの。」

「ぐっ………コノヤロ………まあいい、せっかくのルフィナ姉さんの晴れの日や。朝飯に遅れへんよう、とっとと済ますとしようか。」

「………うん。」

そして2人は礼拝堂に向かった。



「……………」

礼拝堂に向かうとそこには一人の娘が地面に膝をおって、強く祈りを捧げていた。

「姉さん………!?」

「………姉さま………」

「おはよう。リース、ケビン。ふふ、早いのね。2人で掃除当番かしら?」

祈りを捧げていた娘―――ルフィナだったが二人に声をかけられると祈りを中断し、目を見開いて二人に微笑んだ。

「そうだけど……」

「な、なんでこんな早く起きてんねん?ちゃんと寝てへんと旅の途中でへばってしまうで。アルテリアってとこ、ここからかなり遠いんやろ?」

掃除当番の自分達以外はまだ寝ているはずの時間にルフィナ起きている事にリースは戸惑い、ケビンは驚きの表情で訊ねた。

「ふふ、そうなんだけどね。しばらくは、ここでお祈りを捧げることもできないから………まとめてお祈りしようと思って早く起きちゃったの。」

「なんやそれ………」

「ふふ………姉さまらしい。………でも………そんなに忙しくなりそう?めったに帰って来れないほど………」

ルフィナの答えを聞いたケビンは呆れ、リースは微笑んだ後、不安そうな表情で尋ねた。



「うん………ごめんね。従騎士になったばかりだ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ