第28話
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ちにお願いしたいのは他でもない……。脅迫状が届けられた各所で聞き込み調査をして欲しいんだ。具体的には―――エルベ離宮とレイストン要塞を除いた8箇所だ。」
「飛行船公社、グランセル大聖堂、ホテル・ローエンバウム、リベール通信社、帝国大使館、共和国大使館、そしてグランセル城ですね。」
シードの依頼を確認するようにクロ―ゼは場所を言った。
「フッ、どこも制服軍人が立ち寄ると目立ちそうな場所だね。情報部を失った今、聞き込みをギルドに頼るのも無理はないかな。」
「恥ずかしながらご指摘の通りだ。そして新しい司令官殿の方針でギルドに回せそうな仕事は片っ端から回せとのことでね。それを実践させてもらったよ。」
オリビエの指摘にシードは苦笑しながら答えた。
「まったくもう……。父さんも調子いいわねぇ。」
「ケッ、いかにもオッサンの言い出しそうな台詞だぜ……」
シードの話を聞いたエステルとアガットは呆れた。
「ふふ、君たちに依頼したのはあくまで私の一存さ。この度、条約調印式までの王都周辺の警備を一任されてね。警備体制を整えるためにはなるべく多くの情報が欲しいんだ。どうか引き受けてもらえないかな?」
「う、うーん……。引き受けたいのは山々なんだけど。もう一つ、片付けなくちゃいけない事件が起きちゃって……」
「先ほどのお嬢さんの件ですね。かいつまんで説明していただけませんか?」
そしてエステル達はエルナン達にレンの事情を説明した。
「なるほど……。それは放っておけないな。しかし、あんな年端もいかない子供を置き去りにするとは……」
「うん………なんとか見つけてあげたいんだけど………」
シードの言葉にエステルは心配そうな表情で頷いた。
「ふむ、そうですね。何かの事件と関わって娘さんを巻き込まないようにしたのかもしれない可能性があるかもしれません。しかし、それでしたら一石二鳥かもしれませんよ?」
「へっ?」
「話からするとどうやらレンさんのご両親は外国人でいらっしゃるようですね?なら、大使館やホテルなどに問い合わせた方がいいでしょうね。」
「あ、なるほど!」
エルナンの提案にエステルは明るい表情をした。
「どちらも脅迫状が届けられた場所ってわけか。あと、飛行船公社にも乗船記録があるはずだぜ。」
「王国軍も、各地に通達を回して親御さんの捜索に協力しよう。関所を通ったのなら分かるはずだ。」
「ありがとう、シード中佐!」
「ふふ、どうやらこのまま話を進めても良さそうですね。具体的な調査方法と分担はこちらに任せて頂くとして……。やはり、調査結果の報告は文書と口頭がよろしいですか?」
話が上手く進んでいる事に明るい表情をしたエルナン
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