第28話
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集をお願いしたいんだ。」
「ある件の調査……?」
シードの依頼にエステルは首を傾げた。
「『不戦条約』は知っているね?実は、その条約締結を妨害しようとする脅迫状が各方面に届けられたんだ。」
シードの説明を聞いた一同は驚いた。
「きょ、脅迫状!?」
「それは……穏やかではありませんね。一体どんな内容なんですか?」
エステルは信じられない表情をし、クロ―ゼは不安そうな表情で尋ねた。
「……これをご覧ください。」
そしてシードは一通の手紙をエステル達に差し出した。手紙を渡されたエステル達は一通の手紙を読み始めた。
「『不戦条約』締結に与する者よ。直ちに、この欺瞞と妥協に満ちた取決めから手を引くがよい。万が一、手を引かぬ者には大いなる災いが降りかかるだろう。」
「うわ……」
「なるほど、脅迫状だな。内容はこれだけか?」
手紙の内容を読み終えたエステルは呆れ、アガットは頷いた後、尋ねた。
「ああ、これだけだ。そしてお気づきのように差出人の名前も書かれていない。正直、悪戯の可能性が一番高いと思われるんだが……」
「単なる悪戯とは思えない気がかりな要素がある―――そういうわけだね?」
言葉を濁しているシードの代わりに応えたオリビエは確認した。
「ああ……。脅迫文が届けられた場所だ。まずはレイストン要塞の司令部。続いて飛行船公社、グランセル大聖堂、ホテル・ローエンバウム、リベール通信社。そして帝国大使館、共和国大使館、グランセル城、エルベ離宮。全部で10箇所だ。」
「そ、そんなに!?………ってあれ?10箇所??一つ、足りないような………?」
シードの説明を聞いたエステルはある事に気付き、尋ねた。
「ああ、言い忘れた。済まない。正確にはある一箇所に同じ手紙が2通届いたんだ。」
「へっ?それってどこ??」
「……………グランセル城だ。」
「あ、あんですって〜!?」
「どうして2通も届いたんでしょうか………?」
シードの話を聞いたエステルは声を上げて驚き、クロ―ゼは不安そうな表情で尋ねた。
「それなんですが…………一枚はリベール王家宛に届いて、もう一枚は………シルヴァン皇帝陛下宛に届いたんです。」
「えっ!?何故、シルヴァン皇帝陛下宛がグランセル城に………?」
シードの説明を聞いたクロ―ゼは驚いて尋ねた。
「その事なんですが…………先ほどシルヴァン皇帝陛下、カミ―リ皇妃がファーミシルス大将軍率いる親衛隊の一部隊とメンフィル軍の一部隊、そして竜騎士団の一部隊と共にグランセルに到着しました。」
「あ、あんですって〜!?」
「えっ………!?もう、来られたの
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