第28話
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こに行ったんだ?どうしてこんな場所で1人で遊んでやがる?」
「ジー……」
アガットの質問を聞いたレンは何故か鋭い目つきでアガットを見ていた。
「な、なんだよ?」
レンに見られたアガットは戸惑いながら尋ねた。
「お兄さん、ダメダメねぇ。レディに対する口のきき方がぜんぜんわかってないみたい。」
「ムカッ……」
そして呆れて溜息を吐いているレンを見て、アガットは青筋を立ててレンを睨んだ。
「まあ、レンはレディだしカンダイな心で許してあげるわ。それで、パパとママがどこに行ったかなんだけど……。レンにもよくわからないの。」
「わからない?」
レンの話を聞いたエステルは首を傾げた。
「レン、パパとママといっしょにここに遊びに来てたんだけど。お昼を食べたあと、パパたちがまじめな顔でレンにこう言ったの。『パパたちは大事な用があってレンとお別れしなくちゃならない。でも大丈夫、用が済んだら必ずレンのことを迎えに行くからね。パパたちが帰ってくるまで良い子にして待っていられるかい?』」
「そ、それって……」
レンの話を聞いたエステルは嫌な予感がした。
「ふふっ、レンはもう11歳だから『もちろんできるわ』って答えたわ。そうしたら、パパとママはそのままどこかに行っちゃったの。」
「おいおい、冗談だろ……」
レンが話し終えるとアガットは疲労感漂う様子で溜息を吐いた。
「えーと……。そんな事情とは思わなかった。どうしよう?保護者を捜すっていう話じゃなくなってきた気がするんだが。」
「うーん……。アガット、いいかな?」
執事の質問にエステルは唸った後、アガットに目配せをした。
「仕方ねえ……。これもギルドの仕事だ。」
「執事さん、心配しないで。この子はあたしたちが責任をもって預かるから。」
「えっ……?」
エステルの説明を聞いた執事は目を丸くした。そしてエステルはレンの方に向いた。
「ね、レンちゃん。お姉さんたちと一緒に王都のギルドに行かない?すぐに、パパとママを見つけてあげられると思うわ。」
「そうなの?でもパパたち、大事な用があるって言ってたのよ?」
エステルの提案を聞いたレンは可愛らしそうに首を傾げて尋ねた。
「大丈夫、大丈夫。絶対に見つけてあげるから。お姉さんを信じなさいって!」
「うーん……。それじゃあレン、お姉さんといっしょに行くわ。よろしくお願いするわね。」
「うん!こちらこそよろしくね。」
「ふう……本当にすまない。その子のこと、よろしく頼んだよ。」
「ああ、任せておきな。よし……とっととギルドに戻るぞ。」
そしてエステル達はレンを連れて離宮を出た。
〜キルシェ
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