第27話
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鹿馬鹿しい。ええい、不愉快だ!とっとと部屋から出ていけ!」
「言われなくても!」
デュナンの言葉を聞き鼻を鳴らしたエステルは仲間達と共に部屋を出ようとしたが振り返ってデュナンに尋ねた。
「……あ、その前に。ここに白いドレスを着た女の子がたずねてこなかった?」
「なんだそれは……。わたしはここにずっとおる!そんな小娘など知らんわ!」
「あっそ、お邪魔しました。」
「……失礼しました。」
そしてエステル達はデュナンがいる部屋を出た。
「まったく……。なんなのよ、あの公爵は!自分のことは棚に上げてクローゼをけなしてさ!」
「いえ、小父様の非難も当然と言えば当然だと思います。王族としての義務……それは確かに存在しますから。」
デュナンの部屋を出た後、憤っているエステルをクロ―ゼは宥めた。
「で、でも……」
「ふむ、共和国では選挙で大統領が選ばれますからな。王族の義務というのは自分にはピンと来ませんが……。だが、あの公爵閣下の場合、悪い知名度が高まってしまった。もはや、彼が貴女よりも次期国王にふさわしいと考える者はリベールには存在せんでしょう。」
「それは……確かにそうなのかもしれません。ですが、私の覚悟については小父様のおっしゃる通りです。」
ジンの言葉に頷いたクロ―ゼだったが、すぐに辛そうな表情に変えて答えた。
「クローゼ……」
「私、ここで小父様とお会いできて良かったです。改めて、私に足りない部分について気付かせていただきました。」
「そっか……。よし!迷子探し、再開しようか?」
「はい。」
そして気を取り直したエステル達は迷子の捜索を再開した…………
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