第27話
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るよ。白いフリフリのドレスを着て頭に黒いリボンをつけた10歳くらいの女の子だけど……。ちょっと名前は分からないんだ。」
「名前が分からない?」
執事から迷子の情報を聞いたエステルは首を傾げた。
「いくら聞いても『ヒ・ミ・ツ』とか言って教えてくれなくってね……。家族と一緒に来たと思うんだけどそれらしい人も見つからないし……。ほとほと困り果ててギルドに助けを求めたんだ。」
「そ、そうなんだ。でも、かくれんぼといい、わりと元気な女の子みたいね?」
「うーん、元気というか……。おませで、おしゃまな気まぐれ屋って感じかな。大人をからかって楽しんでいるような気もする。」
エステルの推測を聞いた執事は悩みながら答えた。
「うーん、いわゆる悪戯好きの仔猫って感じ?」
「そう、まさにそれだ!はあ〜、ホントにどこに行っちゃったんだろ。多分、この建物からは出てないと思うんだけど……」
「ということは、中庭を含めた部屋の全てが捜索対象だな。確かに、かくれんぼにはもってこいの場所かもしれん。」
執事の話を聞いたジンは頷いて答えた。
「僕はいったん、談話室に戻ってあの子のことを待っているよ。見つけたら連れてきてほしい。」
「うん、わかったわ。」
そして執事は談話室に向かった。
「さーて、逃げた仔猫ちゃんを捜してみるとしましょうか。白いフリフリのドレスに黒いリボンって言ってたわね。」
「ふふ、すぐに見つかりそうな外見ですね。どんな子なのか楽しみです。」
エステルの言葉に頷いたクロ―ゼは微笑みながら答えた。
「とりあえず一通り建物の中を捜してみるぞ。」
アガットの提案に頷いたエステル達はさまざまな部屋に入って、迷子を捜したが見つからず、そしてある部屋に入った時、意外な人物に出会った。
〜エルベ離宮・客室〜
エステル達が部屋に入る直前、豪華な衣装を着た男性――デュナン公爵が部屋をせわしなく歩いていた。
「遅い!遅すぎる!フィリップめ……。雑誌とドーナツを買うのにどれだけ時間をかけているのだ!」
その時扉が開く音がし、デュナンは振り返った。
「これ、フィリップ!私をどれだけ待たせれば……」
デュナンは部屋に入って来た人物を自分の執事――フィリップと思い、注意をしたが
「へ……」
「あ……」
入って来たのはエステル達だった。デュナンを見てエステルとクロ―ゼは唖然とした。
「そ、そ、そ……そなたたちはああ〜っ!?」
一方エステル達を見たデュナンは信じられない表情で声を上げた。
「なんだぁ?この変なオッサンは。」
デュナンの事を知らないアガットは首を傾げた。
「デュナン公爵……。こんな場所に
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