第25話
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「何はともあれ危険な男であるのは確かね。ただこれ以上、例の局地地震が起きる可能性は少ないでしょう。警戒は緩めてもいいかもしれない。」
「ああ、そのようだね。市民と職員に伝えておこう。」
キリカの話を聞いたマードックは頷いた。
「しかし、またしても『ゴスペル』が使われておったか。しかも七耀脈を活性化させる装置と合わせて使っていたとは……」
話が終わり、博士は真剣な表情で考え込んだ。
「学園地下の投影装置にも使われていたことを考えると……。導力器の機能を飛躍的に高めるブラックボックスと言えそうですね。」
「うむ……。まさにその通りですわい。空間投影装置にしても七耀脈の活性化装置にしても決して実現不可能な技術ではない。じゃが、『ゴスペル』による現象は現在の導力技術の常識を超えておる。わしはもちろん、他の名だたる技術工房でも造れるとは思えんのです。」
「そうですな……。共和国のヴェルヌ社や帝国のラインフォルト社……。さらに戦術オーブメントを開発したエプスタイン財団でも無理でしょう。」
クロ―ゼの言葉に博士やマードックは頷いた。
「それだけ結社の技術力がハンパじゃないってことね……」
「うむ、とんでもない天才がいる可能性が高そうじゃのう。むふふ……これは負けてはおれんわい!」
エステルの呟きに頷いた博士は対抗心を燃やした。
「お、おじいちゃあん……」
「はあ、仕方ありませんね……。新型エンジンもようやく完成しましたし……中央工房も『ゴスペル』の解析に最優先で協力させてもらいますよ。」
「わはは、当然じゃ。」
「確かに、『ゴスペル』の正体が判明したら助かっちゃうかも……。今後、どういった形で使われるか判ったもんじゃないし。」
マードックの申し出にエステルは今後の事を考えて頷いた。
「それにあの連中、『実験』とか抜かしていやがったな。2度あることは3度ありそうだぜ。」
「『ゴスペル』の分析は引き続き博士たちにお願いするとして……。貴方たちは、そろそろ次の場所に移った方がいいかもしれないわね。」
アガットの意見に頷いたキリカはエステル達を見た。
「うん、そうね。犯人は捕まえられなかったけど、地震の一件は片づいたみたいだし。次に行くとしたらどこが良さそう?」
「ちょうど王都支部から応援要請が入ったばかりよ。何でも王国軍から正式な依頼が来たらしいわ。」
「王国軍からって……父さんからの依頼ってこと?」
「え!お祖父ちゃんから!?」
キリカの説明を聞いたエステルとミントは驚いた。
「詳しいことは判らないわ。ただ、貴方たちをわざわざ指名してくるくらいだから結社関係である可能性は高そうね。」
「確かに……
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