少年は真剣で恋するようです 弐
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面倒になった所で、望んだ通りの言葉をゾズマが吐いてくれたので、漸く私は流儀に合わせ、気を
軽く解放させた。それを戦闘の意思と取った三人が構えを取る。
「私は脳筋派を馬鹿にしたりしないわ。だって、力で捻じ伏せて顔を踏んでやった方が早いもの。
かかって来なさい、坊や達。人間には辿り着けない次元の彼方がある事を教えてあげる。シュウ?」
「障壁設置おっけー。あ、クラじい、糸の結界解いて戦った方がいいよぉ?ボクはお部屋守るだけで
戦わないしぃ、中継の邪魔もしてないからぁ。」
へにゃっと敵意ゼロで嗤ったシュウの言葉で、やっと本気でかからなければいけない相手だと
認識したらしい三人。さっきとは比べ物にならない殺気を滲ませ――
「「フン!!」」
全く同時、ヒュームが右から身体を、ゾズマが左から脚を刈り取る蹴りを放って来る。
そして上と後ろからは部屋に張っていた糸が迫る。良い連携ね。多分妖怪ジジイsでもこの連携を
躱す事は不可能。対処出来るのは百代だけでしょうね。一撃必殺のヒュームの攻撃を防御、他の
攻撃を受けて、瞬間回復・人間爆弾・瞬間回復のコンボって所かしら。でも残念。
「―――"歪め"!」
ドドドン!
「「「!?」」」
強化された神言を使い、周囲360度の次元座標を90度下に歪める。左右後ろの攻撃は全て床に吸い
込まれる様に角度を変え激突。残った上から来る糸を掃う。それだけで、必殺の初撃は敗れる。
「何が起こった!?」
「分かりません、糸が私の制御を離れ、急に地面に向かいました。」
「俺の足が制御を失うものか。……何だ、今のは。」
世界最強のヒュームが理解を越えた防御――あるいは攻撃――を受け、三人はクラウディオの
糸の結界の中へ一旦下がってしまう。うーん・・・物理現象超越している癖に、超常現象を
目の前にすると混乱するの、この人達の決定的な弱点だと思うのよね。
「意味が分からないわ……百代だって本当の意味では無いにしても"概念攻撃無効"とか視界内とは
いえ"他者同士の位置を交換"とかやるじゃない。座標情報の変更くらいで何で驚くの?」
「………スマン、相手がおかしいと思うのは俺だけか?」
「いいえ、私もです。」
「俺も同じような事は出来るが、気で滝を作り出すだけの荒業だ。コレのは違う。」
「あらあら、こんな美少女を"コレ"とは酷い紳士も居たものねぇ。」
フリで嘆いたものの、彼らの反応で大体は掴めた。つまりこの世界では、人体に起こる事は
割と何でもありだけれど、世界だの空間だのに直接何かするのは非常識、と言う事みたいね。
そりゃそうね。創造者や天使
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