少年は真剣で恋するようです 弐
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アリカに笑われてしまうわ。
・・・アリアにはこっぴどく怒られそうね、絶対秘密にしましょう。
「んじゃぁいこっかぁ〜。」
「……ええ、そうね。」
再び垂れモードに戻ったシュウに続き正面玄関に行くと、あずみちゃん率いる従者部隊が十人程
待ち構えていて、私達を見ると、厳しい目付きのまま礼をして来た。
「本日は急なお招きに関わらず、ご足労いただきありがとうございます。」
「やだなぁあずみん、硬いよぉ。いつもどーりでいいのに〜。」
「ぶっは!あずみんだってよぉ!似合わねーー!!ふべらっ!」
「……本日は九鬼従者部隊序列一位としての責務があります。」
「むぅー……お仕事なら仕方ないねぇ。」
緊迫した空気を読まず吹き出した金髪のロックな子が撃沈させ、あずみちゃんは硬い表情のまま
私達を中へと案内して行く。その場にいた従者部隊の面々は私達を要人の様に――この場合は連行
するが正しい――周囲を取り囲む。豪華でありながら落ち着いた雰囲気のエントランスを抜け、エレ
ベーターに乗る。その先が示すのは・・・最上階の一つ下。
嫌な予感を抱きつつ長い廊下を歩き、そのフロア唯一の大会議室らしい部屋で止まる。
「ではお二方。申し訳ありませんが、この部屋で暫しお待ちください。」
「あら。私達を呼び出した人はまだ来てないのかしら?」
「申し訳ありません、主は多忙な方でして、少し遅れが……。」
「気にしない、気にしない〜。あ、じゃあ紅茶用意してねぇ〜。」
「畏まりました、では。」
気にしないと言いつつもお詫びの紅茶を寄越せと要求され、あずみちゃんは一人の従者に命じると
・・・扉と私達を挟む様に整列する従者達の中央に並ぶ。キナ臭いどころかもう確定だと諦め、
素直に扉の中へ入る。部屋の中央にはO字を描く机が置かれ、そこに等間隔に椅子が置かれていた。
そして一番奥。上座の席の後ろに、三人の執事の姿があった。
「初めまして。私は九鬼従者部隊零番、ヒューム・ヘルシングと申します。」
「同じく三番、クラウディオ・ネエロと申します。」
「従者部隊四番、ゾズマ・ベルフェゴールだ。よろしく、お嬢さん方。」
「ご丁寧にどぉもぉ〜。初めまして、愁磨・ぷ……ジオン・織原ですぅ。」
「………ノワール・有亞・織原よ。よろしくね。」
壮健どころか剛健と言うべき金目金髪のヒューム、柔和な老人のクラウディオ、そして編み髪の
黒人(一番礼儀が成ってない)ゾズマ。その全員から、ここでただ待っていてくれとは微塵も思えない
闘気が溢れ出している。・・・いやねぇ、もう。
「さて、単刀直入に聞こう。お前ら何者だ?
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