少年は真剣で恋するようです 弐
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「……ダメ?」
「もう仕方ないわねぇ、可愛い女の子を守れるんなら私だってやぶさかじゃないんだからぁ。」
「……決まりだな。それで契約書はこれなんだが――」
「ああ、いいわよ。後輩の面倒を見るなんて当然の事だもの。手を出すな、って盟約付きなら、
そこだけ署名してもいいけれど。」
「そんならいいわ。んじゃ、頼んだぜ。」
「はい、頼まれました。シュウ、帰るわよ。」
「はいはぁ〜い♪」
大企業の社長が甘い、と同時に好ましい人格者だと評価を上げて、上機嫌なシュウと連れ立って
九鬼のビルを後にする。かく言う私も楽しみなんだけれどね。少なくとも美少女・・・もとい
美幼女一人は確定なんだからね!フフフ、なんだか張りが出て来たわね。
Side out
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Side―――
「帝様、よろしかったのですか?」
「あーん?良いも悪いも、相手が良いっつってんだから良いじゃねえか。
タダより高いモノはねぇって言うが、その分信頼っつーモン返してるし問題ねぇだろ。」
クラウディオの質問と若干ズレた――分かっていてだろうが――答えに、長く連れ添った
老執事二人が苦笑する。自分達を圧倒する謎の女学生・・・と弟。その協力を取り付けられた
事は確かに大きい。
「(姉の方は言わずもがな、弟の方はあの容姿でいて相当な防御の使い手らしい。学年も同じで
あるし、紋様の警護としては最適か。)」
老執事二人の見解はほぼ同じ。主の子である長女・揚羽と次女・紋白に優劣を付ける訳ではないが、
戦闘力に長けているとは言え、九鬼の重役である分狙われやすい揚羽に警護を一人でも多く回せる
のは、九鬼にとって非常に有用なのだ。
「つか、やっぱあの二人九鬼に欲しいわ。ヒューム、学校でさりげなく勧誘しとけよ。」
「ハ、了解いたしました。」
「(やれやれ、危険度のチェックも怠らないようにしませんとな。)」
様々な想いが交錯する中――その協力が履行されたのは、僅か一週間後の事だった。
Side out
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