少年は真剣で恋するようです 弐
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蓋を開けてみたら小石じゃなく隕石だった事かしらね。
「俺の勘から行くと、恐らくあんたに勝つにゃ九鬼の総力を上げても難しい気がする。
こっちの最強カード三人を一度にあしらわれたしな。そこで、だ。あんたらの目的を聞いた上で、
対応を決めようと思った訳だが、質問に答える気は?」
「大人しく座ってあげてるんだから、分かるでしょう?」
「一応な。」
さっきからヒューム達に当てたのと同じ程度の気を時々放っていても、余裕の態度を崩さない。
成程、部下の手前で無様な所は見せられないと言う"王"の立ち居振る舞いを素直に評価して、私は
椅子に座り直す。それを確認した帝が、重々しく口を開く。
「こちらに敵対する意思、またはそれに類する勢力の手の者か?」
「まさか。権力争いになんて興味ないわ。」
「では何故、偽造してまでこの地に来た?それも学生として、堂々と。」
「それに関しては色々手違いがあってねぇ。ま、偽造は事実だし良い訳はしないわ。
単にここに来たいってこの子が言い出したから、来ただけの事よ。」
「そうか、なら安心した。」
簡単な質問で、本当に安心したらしく、息を吐きながらどっかりと椅子に倒れ込んだ。
周りの従者は驚き、後ろの三人は溜息をついたり笑ったりしている。
「んじゃぁこっからはビジネスのお話だ。単刀直入に言う。九鬼に雇われねぇか?」
「やーよ、学生しに来ただけなのに、面倒なのは御免だわ。」
「まぁまぁそう言わずに、聞いてくれ。頼みてぇのはウチの娘や転入する四人に気を使って欲しい
だけだ。まぁヒュームを付けるし、従者を交代で学校に送るが、何分忙しい奴等だからな。」
「………むすめ?」
「何でそこで反応するのよ。」
帝が条件を告げた瞬間、ピクリとも反応を見せなかったシュウがむくっと起きた。
・・・アリアが居なくてよっぽど寂しいのかしら。たまに帰ればいいのに。と言うか帰ろうかしら。
でも条件は分かり易いわね。あくまで学園の友達として行動でき、尚且つ過去の英雄やヒュームと
同等以上の戦闘力を持つ警護になって欲しいと。
「おう、すんげぇ可愛いんだぜ?お前さんと同じく白髪ロングだが、快活で良い子なんだ。
真面目だし一生懸命だしな――ゴホン。そう言う事だ、どうだ?」
「ねーさん、ねーさん。」
クイクイ
「な、なによ?」
条件を聞いて、上目遣いに服を引っ張って来る。くぅぅぅぅう可愛い!絶対、間違いなく、完璧に
受けるつもりだって分かってるのに聞いてしまった!これだから男親は娘に甘くて困るわねぇ!
この外見で男親とか困るし私も人の事言えないんだけれど!
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