RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW第六話「ラブストーリーは突然に」
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がらこの状況が理解できなかった。確かに、自分たちの計画は完璧だと思っていたのに……
「獄門組の組長が、洗いざらい白状してくれたぜ? オマケに自主もしてくれたんだから、こうなればアンタも警察のお世話なるしかないよな?」
意地悪そうに言う弾の声に、柳瀬は顔を真っ青にすると、ガクッと膝が落ちて地面にへこたれた。
「そ、そんな……?」
これで、彼女の敗退は決定した。後に、柳瀬は警察に誘拐罪及び脅迫で逮捕され、獄門組もろとも全員が御用となった。
*
三人は箒を連れて村へ戻った。村では喝采が絶えず、再び玄弖達の武勇伝が村の歴史に刻まれることになった。
こうして、いろいろとあったものの、無事に今年も夏祭りが篠ノ之神社で開催されることになった。
一件落着っということで祭りは今まで以上に大賑わいだと村人の長たちが歓喜にあふれていた。箒にも怪我はなく、今年も無事に舞が踊れるようだ……
「うぉー! このリンゴ飴ってウンメェ!!」
他にもたこ焼きや焼き鳥などを両手に大満足の大剛、そして隣では酒瓶を片手に酔いつぶれる弾、そして玄弖は……
「えっと……」
箒に声をかけようとして緊張していた。彼女は、社務所で奉仕をしている。そこへ行って「もしよかったら、一緒に屋台を回らない?」と、誘うのだが……
――ああ! くそう! どうして勇気が出ないんだ? ちゃんとしろ俺!?
こうしている間にも時間だけが過ぎて行く。
「よし!」
覚悟を決め、玄弖は思い切って彼女の元へ歩み寄り、そして……
「箒……」
「ああ……ここにいたか?」
だが、玄弖の目の前を一人の少年が遮り、箒に声をかけた。
「い、一夏っ?」
「随分と、女らしいな? 箒」
「お、女らしいだと!?」
顔を真っ赤にして箒は怒った。
「まぁ、今回はお前の舞を楽しみに来たんだ。良いところ見せてくれよ?」
「あ、当たり前だ! お前なんかに言われるまでも……」
「そうかい? じゃあな?」
「あぁ……! ま、待て!?」
「あん?」
一夏はめんどくさそうに振り向いた。
「いや、その……」
しかし、咄嗟に呼び止めてしまったため本題など考えていなかったことに箒は顔を赤くする。
「何だ?」
「えっと……」
「あら! 一夏ちゃんじゃない?」
「おばさん?」
そこへ、伯母の雪子が現れ、彼女は箒にこう言う。
「箒ちゃん? まだ舞まで時間があるんだし、一夏ちゃん達と屋台を回ってもいいわよ?」
「え、でも……」
「いいのよ? いってらっしゃい?」
「あ、ありがとうございます……」
そんな、箒と一夏の光景を玄弖は呆然と見ていた。
――もしかして、箒の彼氏……?
玄弖は、一瞬頭の中が真っ白になった。
――嘘だろ? どうして……
受け入れがたい現実に気力を失う玄弖は、ふらふらと境内をふら付い
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