RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW第六話「ラブストーリーは突然に」
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夏ではなく、またこの青年であった。
「誰じゃい!?」
団員は振り向くと、そこには一人の青年が前に出て睨み付けていた。と、いうよりも少し怖気づいていた。
呆然と、怯えて竦んでいる心を無理にでもと強がらせようとするが、RSがあることを思いだすと、つい衝動的になって前に出てしまった。
――……一夏?
一瞬その声の主が片思いの少年と重なった。
「玄弖!?」
箒は、彼の名を叫んだ。
「やめろよ? 大の大人がみっともないぜ?」
「何じゃと? 若僧……」
団員は箒から玄弖へ標準を定め、そして刃物を向けた。
「じゃあ、先にテメェを血だるまにしたるわ!?」
「!?」
しかし、次に気付いた刹那。団員は玄弖に投げ飛ばされていた。その姿を他の団員や柳瀬も目を丸くして見ていた。
「こ……こんのガキィ!!」
次々に他の団員が玄弖に襲い掛かるが、そこを真っ先に弾が割り込み、弾が動いたことに気付いたあとから大剛も乱入し、彼らによって他の団員達は次々に投げ飛ばされた。
そして、最後に残ったのは柳瀬ただ一人。
「うそ……相手は刃物も持ってるのよ!?」
「投げ飛ばされたくなかったら、とっとと失せな?」
大剛は拳を柳瀬へ向けた。
「あ、あんた達こそ何をしたかわかってんの!? 訴えるわよ!?」
柳瀬は言い返すも、それは無駄だ。
「やってみろ。だが、お前の方こそ暴力団を使って脅しに来たことには非があるぞ? 元はと言えば。アンタらの雇った団員の一人が勝手にキレてこっち側に手を出したのが始まりだ。それはここに居る連中全員が証言できる。俺たちは自己防衛のために手を出したまでだ。裁判やるなら大方あんたらに非が出るぜ?」
弾の台詞に、柳瀬は返す言葉が出なかった。
「くぅ……!」
彼女は、苦虫を噛みしめ暴力団と共に去ってしまった。
連中がいなくなった途端、境内には三人をたたえる喝采が響いた。
「いい気味じゃわい!」
「はっはっは! 連中め、尻尾を巻いて逃げてったぞ?」
「スゲー! あの人たち何もんだよ?」
喝采の中で、玄弖は箒に手を伸ばした。
「篠ノ之、大丈夫か?」
「あ、ああ……」
箒は赤くなって彼を手を握った。
――あのとき一瞬、一夏の面影と重なったのはどうしてだろう……?
そのあと、若者による三人の武勇伝は語られ、玄弖達の評判は上がって、改めて村人たちに歓迎された。
その夜、舞の練習を終えて縁側に腰を下ろす箒は、今日助けてくれた玄弖のことが妙に頭から離れることができなかった。
――八文字……玄弖……
何度も、彼の名前を思いだし、そしてあの時自分に向けた眼差しを思い返した。
自分が思いを寄せ続ける少年、織斑一夏と重なり、一瞬だが彼にときめいてしまった。
「いかん! いかん! 私は一夏一筋なんだ……」
その思いは、幼い頃から変
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