RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW第六話「ラブストーリーは突然に」
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も、ここから祭りの後に打ち上げられる花火を見ていたんだ。今宵は、お前と見たくてな?」
「箒……」
しかし、そんな箒を見ていると、玄弖は彼女が悲しい顔をしているように思えた。そして、聞いてはならないことかもしれないが、玄弖は彼女にこう問う。
「箒?」
「どうした?」
「……一夏って奴の事、好きなのか?」
「……」
箒は黙った。やはり、気にすることだったと思って玄弖は慌てて謝罪した。
「すまん! 嫌な事、聞いたよな?」
「いい……別に隠すような事ではない。今となってはな?」
「え?」
「玄弖……本当は、私はお前に会うまでは一夏のことが誰よりも好きだった」
「……」
「だが……私は、どれほど彼に恋愛表現をしたところで、一夏は私に気付いてはくれず、むしろもう一人の幼馴染の比奈と、相思相愛になりつつあった。一夏は、比奈と結ばれるのが相応しいのだと、改めて思い知らされたんだ」
「箒……」
「玄弖? 私は……好きだということを一夏に気付いてもらえず気を病み続けていたところを、ふいにエリア14へ迷い込んでしまったのだ。そこで、危ないところをお前に助けられたのだぞ?」
微笑む箒が、玄弖へ振り向いた。
「最初は、お前をただの変人としか思っていなかった。だが……お前が私にペンダントを届けてくれたり、嫌な女子たちに対して私のために怒ってくれたりして、それと、私に会うために遥々エリア20の集落まで足を運んでくれたことも嬉しかった。そして、今日私のためにお前は……」
「はは! 気にするなって? 俺も……好きな奴のために……」
「え?」
最後の台詞は聞き取りにくく、微かに聞こえただけで、それでも箒はそんな彼の言葉を聞き逃したりはしなかった。
彼女も、本当は一夏以外の男性で玄弖のことが好きになっていた。エリア14で助けてくれたときや、学園で相手はISを持っているのにも構わずに自分のために怒ってくれたこと、本当はその時、嘗ての一夏の面影と重なってしまい、このときから玄弖に対して恋心を芽生え始めていった。
そして今回、わざわざエリア20の集落まで会いにきてくれたことと、柳瀬の手から自分を救いだしてくれたことで、玄弖への恋心はさらに膨れ上がった。今となっては、一夏同様に玄弖のことが好きと思えるほど同等の思いを寄せるようになったのだ。
「けど……やはり、私は一夏のことがどうしても忘れられなかった。何年もかけて愛し続けた愛人を諦めてしまうのが、今までのそのために頑張ってきた自分を裏切ってしまうようで怖かった。だが、一夏は私ではなく比奈を選んだ……未練がましい女だな? 私は……!」
目頭を熱くさせた彼女は、ついに泣きじゃくってしまう。そんな彼女に対してどうすればいいのか、玄弖は迷ってしまう。だが、そんな彼女に自分の思いを聞いてもらいたいという衝動が自然と
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