暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW第六話「ラブストーリーは突然に」
[13/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 今日だけはさ?」
「うむ、そうだな……」
玄弖の声に続いて箒は微笑んだ。
玄弖は、その後箒と屋台を回った。箒は、一夏も誘おうとしたが、彼は既に比奈に連れられていなくなってしまい、玄弖と二人きりで夜店を回ることになった。
しかし、出店というものを知らない玄弖は、屋台の店を一店一店に箒が説明したり、共に食べ歩きをしながら楽しんだ。
箒も、そんな屋台に興味を持つ玄弖を見るのが面白く、綿菓子に驚いたり、リンゴ飴を見て目を丸くするなど、玄弖の意外な一面に魅かれていた。
「へぇ〜 これが、バター飴ってやつか?」
飴にしゃぶりつく玄弖は、すっかり屋台を堪能していた。
「面白いか?」
隣で箒が問う。
「ああ! もう、最高だよ。本当に面白いな? 祭りってのは!」
「気に言ってくれて、良かった。それと玄弖?」
「ん?」
箒は、やや照れながら彼にこう言う。
「その……この後、私が巫女の舞をやるのだが、見てもらえたらうれしいんだ……」
「え、舞?」
「ほら、舞台を組み立てていただろ?」
「ああ、あれか? そうだな、是非見てみたい! 今から始まるの?」
「あ、ああ……」
「もちろん見る! 絶対に見る!! 箒が舞か……」
「う、うむ……」
箒は、恥ずかしがっていたが、それでも玄弖が楽しみにしてくれていることを知って、内心嬉しく思った。

鼓笛の音色に会わせて華麗に舞う箒の姿は、村の若者全員を魅了させる。特に、それを真正面から眺める、玄弖にとって箒は天女のように思えた……
「スゲー綺麗だ……」
玄弖は、ただ彼女の舞だけを見つめていた。
――玄弖……
そんな彼に見つめられている箒は、緊張していたものの、次第にほぐれていき、楽しむかのように舞を踊ることができた。それと同時に、玄弖に見つめられることで次第に胸が苦しくなる。
――緊張がほぐれているというのに、見つめられると胸が締め付けられるのは何故だ?
舞を終え、装飾品を外した彼女は、ふたた玄弖の元へ戻った。
「どう……だった?」
「ああ、凄い綺麗だったよ?」
「え……!?」
一瞬箒は、玄弖に真顔でそのように答えられたために顔を赤くしてしまう。そんな彼女に、玄弖は続けた。
「本当に綺麗だった……俺、お世辞なんて言うつもりはないから」
――玄弖……
しばらく無言になる箒は、意を決して彼を思い出の場所へ案内することを決意した。
「玄弖、少しいいか?」
「え? ああ……」
「お前に、見せたい場所がある」
「俺に?」
「ついて来い?」
箒は、玄弖を連れて篠ノ之神社の境内を裏口から出て、薄暗くて狭い山道の丸太階段を上がった。
「ここは……?」
そこは、ある高台だった。そこからはメガロポリスの風景を一望できる。これほど、素晴らしい景色を拝める場所は他にない。
「いつ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ