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RSリベリオン・セイヴァ―
RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW第六話「ラブストーリーは突然に」
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ていた。彼は、ある境内の片隅の石に腰を下ろし、ボンヤリと足元を眺めていた。こうして落ち込んでいる間は祭りの賑やかな音などただの雑音に過ぎない……
「……」
「あれ? 玄弖くんじゃない?」
「……?」
親し気な声に、足元ばかりを見つめていた彼はふと上を見た。
「やぁ? 調子は……どうなの?」
「アンタは……?」
「忘れた? ほら、君達に家を紹介した、ラルフ・ヴィンセクトだよ?」
「……ああ、あの時の?」
「って、いうか……どうしたの? すごい、優れない様子だね?」
「スンマセン、しばらく一人にさせてもらっていいですか……?」
「そ、そう? まぁ、気を病むんじゃないよ?」
すると、ラルフの背後から浴衣を着た金髪の少女が手を振って彼を呼んでいた。
「ラルフ―! リンゴ飴食べようよ?」
「っせーな! ……ごめん、じゃあね?」
「彼女ッスか……?」
「100パーセント違うよ?」
最後にそれだけきっぱり言うと、面倒くさそうに彼は少女の元へ戻っていった。
「……」
それから、玄弖は再び落ち込み続ける。だが、そんな彼の元へまた新たに彼へ声をかけてきた。
「あの……八文字玄弖君かしら?」
「……?」
再び顔を上げると、そこには雪子が彼に微笑んでいた。
「どうもッス……」
「どうしたの? こんなところで?」
「まぁ、ちょっと……」
「箒ちゃんのことで悩んでいるのかしら?」
「え……!?」
図星をつかれて驚く玄弖に雪子は微笑みながらこう言う。
「箒ちゃんのことが……好き?」
「別に、その……」
「箒ちゃんはね? ずっと、前から一夏君のことが好きだったらしいの」
「そんな幼馴染に、俺なんかが敵うわけないじゃないっスか?」
「でもね? 近頃になって、夕飯の食卓でよくあなたのことを話してくるのよ? あの子」
「え……?」
「最初は変人かと思ったけど、律儀に形見の首飾りを持ってきてくれたり、虐めっ子達から守ってくれたりって、そして今日も箒ちゃんを助けてくれて……今日は本当にありがとう? 私は、是非今夜の祭りを貴方に楽しんでもらいたいの。だから、そんな所でいじけてないで、箒ちゃん達と楽しんでらっしゃい?」
「ありがとうございます……でも、俺はやっぱり」
すると、雪子は両手で玄弖の両手をギュッと握りしめた。
「大丈夫! 本当は箒ちゃんも、一夏ちゃんか貴方のどちらにしようか迷っているようなのよ? 本当は、一夏ちゃんには比奈ちゃんが付き合っててね?」
「え? 比奈ちゃんが?」
「もう一夏ちゃんは比奈ちゃんと一緒になちゃったから、箒ちゃんに諦めるよう言おうと思うの。そのかわり、玄弖君のことを勧めてあげるわ?」
「ほ、本当!? 俺なんかが……!?」
「ええ、私も貴方のことが気に入ったの。あなたなら箒ちゃんにピッタリだ
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