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もう一人の八神
新暦76年
memory:02 見た夢は追憶で
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小さく頷いた。

「自由に生きてほしいって」

お師匠の言葉を聞いて私はゆっくり考える。
私は何をしたいのか。
私の願いを、望みを。

そして自分の中の答えを伝える。

「八神さん…本当に、家族になってもいいんですか?」

「っ! もちろんや!」

姉さんは驚いたように、でも嬉しそうに答えた。
その証拠に満面の笑みを向けていた。



――――――――――――――――――――



あの時はさすがに出会ってすぐに家族ができるなんて想像できなかったな。でもこれは必然だったのかもしれない。お師匠と姉さんがどことなく似た雰囲気持ってるから、それに引き寄せられたのかもね。

「うみゅ……ゆーり、ちゃん……」

「ユーリぃー……うみゃ……」

「あははは……二人してどんな夢見てるのさ」

二人は私の服を握り直すと笑みを浮かべた。
それを見て二人と同じように笑みを浮かべて目をつぶった。

双樹さん、私は幸せですよ。みんなと挨拶もなしに別れたのは残念ですけど、それでも助けられた命で幸せのために精一杯生きてます。

目を開け、満面の笑みで、

「ほら、二人ともそろそろ起きなよ」

幸せそうに眠るチビッ子二人を起こすことにしよう。

-side end-
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