第二十八話 誤解のもとその三
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「アイスでも何でも」
「じゃあ問題ないわね」
「はい。それでですね」
「ええ」
「やっぱり先輩も食べるんですよね」
「そうだけれど」
このことも答えました。
「私もアイスとかソフト好きだし」
「そうなんですか」
「ドーナツも好きよ」
これも大好きです。
「ドーナツはね。やっぱり」
「駅前のミスタードーナツですよね」
「あそこでいつも食べるわ。阿波野君はドーナツ好き?」
「ですから甘いものは何でもですけれど」
そういえば今言いました。何でもですか。
「杏仁豆腐なんかも大好きですし」
「私もだけれど」
ここまで好みが一緒なんて。
「何か嫌になってきたわね」
「何でですか?」
「阿波野君と好みが一緒だからよ」
「甘いものは何でもですから当然なんじゃ?」
言われてみればその通りですけれどああ言えばこう言うで。何か阿波野君の減らず口がどうにも琴線に触れるようになってきました。
「先輩も甘いものは何でもですよね」
「そうだけれどね。それで太らないように努力もしているわよ」
「それはいいことですね」
「阿波野君はそんな心配はないのね」
「太らない体質なんで」
女の子全員が憧れてやまない体質です。
「全然平気です」
「それ女の子の前で言わないようにね」
「嫉妬されます?」
「嫉妬ってものじゃないから」
言っている私も正直羨ましいです。
「女の子って男の子より太りやすいから」
「そうなんですか?」
「そうよ。これでも皆苦労してるのよ」
「別に苦労しなくていいのに」
「それは何もわかっていないから言えるのよ」
そうとしか思えない軽い言葉でした。
「女の子のことがね」
「そうなんですか」
「そうよ」
男の子って気楽っていうか何ていうか。羨ましくもありますけれど。
「本当に大変なんだから」
「ダイエットとかは聞きますけれどね」
「それこそ一生ダイエットよ」
こうも言いました。
「女の子はね」
「それを怠るとやっぱり太るんですね」
「そういうことよ。男の子だってそうでしょ?」
「ですから僕は太らない体質なんで」
「羨ましいのよ、それが」
「どうも」
何か全然平気な感じです。どうしたものでしょうか。
「おかげで何でも美味しく食べられます」
「食べ過ぎてお腹壊さないようにね」
とか何とか話しながらソフトクリーム屋さんの前に到着です。辿り着くとそこにはもうお客さんが並んでいました。三人程です。
「へえ、ここなんですか」
「もう知ってるわよね、この店」
「はい」
やっぱり阿波野君も知っていました。
「いつも学校の登下校の時に前通りますんで」
「そうよね。たこ焼きも売ってるけれど」
元々たこ焼き屋さんなのです。同時にソフトも売っているので
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