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もう一人の八神
新暦76年
memory:01 八神家末っ子トリオ
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答えを睨みあう二人にそのまま投げかけた。

「二人に聞きたいんだけどさ、もしかして二人は私に頭を撫でてもらいたかったからケンカしだしたの?」

「「!?」」

「……あれ? 違った?」

二人とも固まってるし…これって私の勘違い!? よく見れば顔が少し赤いけど……怒っちゃった?

二人は赤い顔で互いに頷きあって私にくっついてきた。

「二人とも……えーっと?」

「何してるんだよ」

「早く撫でてくださいです」

はい? なんで? 二人とも怒ってたから顔を赤くしたんじゃないの? なのに頭撫でてなんて……?

戸惑いながらも二人の頭を撫で始めた。
二人とも気持ちよさそうに目を細め、体重を乗せてきた。

しばらくして二人にさっきの疑問を聞いてみた。

「二人とも……私に怒ってたんじゃないの?」

「え? なんでです?」

「あたしたちがなんでユーリを怒んなきゃなんないんだ?」

「え? だって撫でてほしいって勘違い発言したから顔を赤くして怒ってたんじゃ……」

そう言うと……って、ええっ!? なんで二人してため息つくのさ!?

「……ユーリは何でこうなのかな」

「……ゆーりちゃんは鋭いのか鈍いのかわからないです」

「え、えーっと?」

「アギト」

「リイン」

私の戸惑いをよそに互いに顔を見合わせて頷きあって言った。

「「頭なでなでの延長を要求する(です)!」」

結局、溜め息をつかれて理由がわからないまま、二人が満足するまで撫で続けた。

-side end-
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