新暦76年
memory:01 八神家末っ子トリオ
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って私が決めることじゃないの? それにしてもなんでこうなった。私がアギトの頭を撫でただけなのにリインは何でむきになったんだろ? というか二人とも私のこと、放置というか忘れてない?
置いてけぼりの私をよそにリインとアギトの口論は激しくなっていき、言い争うにつれて嫌な方向へと進んで行った。
あー…こりゃヤバいね。二人ともむきになり始めて魔法でケンカをしだしそうな感じだ。はぁ、こんな時にヴィータがいてくれればって思うけど…そううまくはいかないか。……一応忍耐強いとは自負してるつもなんだけど、さすがにこれ以上は無理、かな? ……うん、無理だ。二人自然に止めそうにないなら……だったら…私がどうにかしないと、ね。
「んだとっ! このバッテンチビ!」
「やるですかぁ!?」
と、一触即発に近い状態の二人の背後に回る。
そして腕を広げ、一気に
「はい、ストーーップ!」
「「ひゃっ!?」」
笑顔で二人の頭を抱きしめる。
「ゆ、ゆーりちゃん!?」
「ユ、ユーリ!?」
「二人とも魔法を使ってケンカするのは勝手だけど場所と時間を考えようか。さて、リイン、ここは何処かな?」
「こ、ここは私たちの家です!」
あれ? リインの声が少し震えてる気がする。それにアギトも体を強張らしてるみたいだけど……まぁ、気にしない。
「正解。ここは私たちの家だよね。じゃあ次にアギト」
「は、はい!!」
アギトもアギトでリインのように声が震えてるけど、やっぱり気にしない。
「今私たちは何をしていたのかな?」
「みんなで作った料理を食べてました!」
「アギトも正解。……正解した二人にはご褒美を上げないとね」
―――ギギギギッ
抱きしめる腕に力を徐々に込めて二人の頭を絞める。
「「いたたたたたっ!?」」
「ここで魔法なんて使ったらどうなるかぐらいわかるだろ。それにケンカなら食事の後にやれや。ということで少しは頭冷やせ」
しばらくしてホールドを解除した。
「で、なんで二人はいきなりケンカしだしたの?」
少し間をおいて落ち着きを取り戻した私たちはお昼をとり終えて向き合って話し合っていた。
「だってアギトが意地悪言ったんですよ!」
「それはリインがいきなり変なこと言いだしたからだろ!」
「はいはい二人ともそこまで」
また熱くなりかけた二人を落ち着かせてケンカ中の二人の会話を一通り思い出す。
えっと、確か私がアギトに元気出してもらえたらなって撫でてたらリインが自分もと言い出した。
だけどアギトがそれを拒否して言い争いになった、か。ん? 結局のところ二人とも私に撫でてもらいたかっただけ?
確証のないものの何となくこれかなって思った
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