第二十八話 魅惑の妖精亭にて
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ドンネ街を歩いていると、市民達が集まり騒ぎになっていた。
「あれはいったい、何の騒ぎだ?」
遠巻きに見ていた市民達に聞いてみる。
「ついさっきまで、大捕り物があったんだ」
「いや、凄かった、まるで獣みたいな女の子だったよ」
「女の子?」
「ああ、散々暴れてな。大人数で押しつぶされて、あの馬車に放り込まれた」
「こっちに来る」
人だかりを掻き分け、馬車が近づいてきた。
マクシミリアンが、御者座を見ると知っている者が乗っていた。
(やっぱり『大掃除』に関係してるのか)
そう判断し荷台の方を見ると、思わず目を疑った。
「あの女の子、アニエスか!?」
ボロボロの擦り傷だらけだったが、見覚えのある短い金髪だった。
「おお〜い! そこの馬車、待ってくれぇ〜!」
マクシミリアンは路上に飛び出し、馬車を止めようと前に躍り出た。
「おおおお! 馬鹿野郎! 死にたいか!」
辛うじて止まった馬車。
当然、御者はマクシミリアンを怒鳴りつけた。
「そこの女の子は、僕の知り合いだ、逮捕は待ってくれないか?」
「お前が誰かは知らんが、引き渡すわけにはいかん。ついでにお前もしょっ引くぞ」
マクシミリアンは『水化』で変身中なのを思い出し懐中から杖を出して自分の頭を叩いた。
叩いた箇所から波紋が発生し、元の姿に戻った。
「でで、殿下! 何故この様な所に!?」
周囲の人々は驚いた顔で、マクシミリアンを見た。
何よりアニエスの驚愕振りは凄まじい物だった。
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