降り積もる灰燼から
44.トライアングルハーモニー
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5本の指で数えきれる範囲内だ。レアスキルとはその人間の本質が現れやすい……簡単に言えばそいつがどんな奴かを一言で表すようなものだ。そんなものが20も30も存在するってのは、ひとつの身体に魂が10個以上収まってるようなものだ。多重人格なんてものじゃないぞ、それは」
つまりシャーマン○ングならイケるのか、とも思ったが、魂を入れ替える度にレアスキルも入れ替わってるだろうから全部同時に持っているのとは違うだろうな。仮に人格を全部統一したら個性も統一されるから、これもまたレアスキルが複数とはならないだろう。
「ステイタス・レアスキルと二つ並んだところで、いよいよ魔法に話を移そうか」
「おう。話の流れからすると3つ以上の魔法を持つと神の領域って話になるっぽいけど?」
「まさか。たかが3つの魔法で神の領域になど到れるものか………しかし、一部の神は人間が魔法を使えるようになる事に激しく抵抗した。魔法そのものが神の御業と考えていたからだ。現代の人間の使用する魔法はその殆どが神の下位存在である精霊を由来としている事を考えればあながち嘘でもないが……連中にとっては不幸なことに精霊は神より人間の側に寄った存在だった」
「聞いたことあるなぁ。精霊と交わったり加護を貰った一族は特殊な才能を持って生まれるんだっけ。アイズちゃんとかもその系譜なんだろ」
「ああ、精霊はそれほどに人間と距離が近かった。それに魔物と戦うにしても見て楽しむにしても魔法抜きだと大半の神は面白くない。そこで魔法を司る神々が『3つ』という制約を立てた。地上では元々魔法なんぞ一生に一つ覚えれば上等だったからな。3つ確保してやるだけ有り難いと思えといった具合さ。事実、ほとんどのヒューマンは死ぬまで魔法スロットが埋まらないが、エルフなんかは大成すれば例外的に3つ以上覚える奴もいる」
これは後になって思うとレフィーヤちゃんのことだったんだろうと思う。彼女は、詠唱と効果を完全に把握できるエルフの魔法をコピーできるらしい。リヴェリアさんも学術的には9つの魔法を使えるとか、そんな話を聞いた。
「とすると、魔法の才能がズバ抜けている人は3個の制約を突破できるのか……」
「ああ……だが、実際には魔法という技術は曖昧だ。覚醒条件も含めて余りにも不確定要素が多すぎる。『神秘』と『魔導』の両方を極めたような奴はある程度魔法の伝道が出来たりもするが、そんな段階に到った頃には大抵の奴はヨボヨボだ。ステイタスと同じで制限がかかっている………『ように見える』だろう?」
もったいぶった言い回から、俺はオーネストの意図を直ぐにくみ取ることが出来た。
「なるほど、そこも違う意図があるって訳か……神の連中もややこしいこと考えてるねぇ」
「ふん、全くな………考えても見ろ、人間は元々3つ以上の魔法を会得できる
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