第111話
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アで一番南にある街でしたよね?」
ケビンに尋ねられて答えたミュラー少佐の口から出た街の名前を聞いたティータは目を丸くしてミュラー少佐に尋ねた。
「ああ、リベールとの国境に一番近い街になるかな。」
「………あの。先ほどから話に出てくるオリヴァルト皇子というのは………」
「あー、例によって浮遊都市に一緒に乗り込んだメンツの一人や。皇子とか言ってるけどめっちゃノリのいい楽しい人やで。」
「………あれを楽しいというのはいささか語弊があると思うがな。面白がって事態をかき回し、周りの人間を疲れさせる手合いだ。」
リースの疑問に答えたケビンの話を聞いたミュラー少佐は顔に青筋を立てた。
「ふふ………ご謙遜を。帰国されてからの皇子のご活躍、リベールでも耳にしていますよ。何でも帝国の社交界の新たな寵児と噂されているとか。」
「猫かぶりが続いているうちは何とかなっているようだが………本性を暴露されたらどのように噂されることやら。」
「クスクス………」
「少佐も大変ですなぁ。」
「………………」
(い、一体どんな人なんだろう、オリヴァルト皇子は……?)
ミュラー少佐の言葉を聞いて微笑んでいるティータと苦笑しているケビンをリースは黙って見つめ、ロイドは冷や汗をかき
「そう言えば……今気づいたけど、ジェイド中将とオリヴァルト皇子の声って、そっくりよね?」
「へ………」
ある事を思い出したアーシアの言葉を聞いたケビンは呆けた。
「おや、そうなのですか?」
「あ……!た、確かにジェイドさんとオリビエさんの声って、そっくりです!」
「……言われてみれば奴とジェイド中将閣下の声は瓜二つだな……」
「面白い偶然だな。」
アーシアの言葉に目を丸くしたジェイドがケビン達に訊ねるとティータは驚きの表情で声を上げ、ミュラー少佐は信じられない表情でジェイドを見つめ、フレンは口元に笑みを浮かべた。
「まあ、自分にそっくりな人物が世界には3人いるという諺があるくらいですからね。ましてやそのオリヴァルト皇子という人物は異なる世界の方なのですから、異なる世界に私と同じ声を持つ人物がいても不思議ではありませんね。」
「もしこれで世界が同じだったら、色々と使えたのに、ホントに惜しいよね〜。」
「へ……”惜しい”って、どういう事なんですか?」
ジェイドの後に答えたアニスの答えが気になったロイドは不思議そうな表情で訊ねた。
「だって、もしこれで世界が同じだったら、そのオリヴァルト皇子、だっけ?その人の声と同じ声を持つ中将だったら、通信とかでオリヴァルト皇子になりきって、オリヴァルト皇子の国からお金を引き出すようにとか色んな命令とかできるじゃない♪」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ