暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第28話 携帯電話
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
してみる。

「流石にこれは無かったんじゃない?」
ニコニコとしながら、御坂が訊いた。
「レベルアッパーの件じゃ、色々世話になったからね」
「ああ」

佐天は、御坂の言葉で思いついたように手を叩いた。

そうだわ
あたしもサソリや御坂さん達にお礼しないといけないかも
何をしたら喜んでくれるんだろ。

「番号とアドレスはあたしの方で勝手に設定してあるから」
「ほう、よく分からんな」

「あの......サソリさん、よろしければ電話番号とメールアドレスを教えて貰って良いですか」
手をちょっとだけ挙げて、湾内がサソリに言った。

「御坂が勝手にやったから、御坂に訊けよ」
「逐一、覚えてないわよ。貸して」
ピッピと携帯電話を操作するとサソリの電話番号とアドレスが出てきた。
「教えて良いの?」
「んー、別に構わんが」
「ありがとうございます」
サソリのアドレスを開いて湾内は自分の携帯電話に新規登録するためにカバンから取り出した。

「一応、あたしのも登録してあるけどね。一回テストしてみようかしら」
御坂は、メールを開いて作成すると「テスト」と打ち込んで、サソリの携帯電話にメールをした。

湾内が持っている携帯電話が突如として震え出した。
「ふわ!」
「ご、ごめん湾内さん」
「大丈夫ですよ。開いてみますね」
湾内が操作をしてメールを開いた。

急に妙な機械が震えたので、サソリの興味が強くなり、湾内の持っている携帯電話に近づいた。
「?!どうなってんだ?」
怪訝そうな顔で覗き込む。
「さ、ささサソリさん近いですわ!」

サソリは今、湾内と伸ばした腕にある携帯電話の間へと移動しており、必然的に二人の距離があり得ないほど近くなっていた。
サソリが振り返ると湾内の顔がすぐ近くにあった。

憧れのサソリの顔が自分の鼻先に当たりそうになって、顔が沸騰しそうに真っ赤に染まる。
サソリの髪の匂いがして、体温が急上昇していく。
「くぅ」と犬みたいな声を出す湾内。
「あっ!見えないだろ離すな」
「!?」
限界とばかりに腕を伸ばして、サソリから離れようとするが、サソリが湾内の腕を掴んだまま離さない。

サソリは首を傾げて、その湾内の言葉を無視するように至近距離で携帯電話の画面を注視する。
「これぐらい我慢しろ。えっとこの文はお前が書いたのか?」
画面を向いたまま、サソリが御坂に質問した。
「そうよ。あたしの携帯からこうやって文章が送れるのよ......ってかサソリ、そろそろ湾内さんを離してあげないと」

「ん?」
御坂の言葉に手を握ったまま、サソリは湾内を振り返りながら見た。
顔を真っ赤にして、眼が座っているかのように不安定に斜め右下を見続けている。
「悪い、そんなに強く握
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ