暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第28話 携帯電話
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のですが」
「目立っていた?どういうことですの?」
「あまり見ない服を着ていらしたんですよね。湾内さんの他にもその殿方を見たっという方が居るのではないかと」
泡浮の話にハッ気がついたように顔を上げた。
「では、この場でも訊いてみましょう」

注文したケーキを運んできた店員に、湾内は勇気を振り絞って尋ねてみる。

「あの......赤い髪で黒っぽい服を着た少年を知りませんか?」
「はい?赤い髪に黒っぽい服ですか?」
ケーキを並べながら、女性店員は少しだけ動作を止めた。
「あっ!思い出しました。確か数日前に変わった服装の子供がいましたね」

「えっ!?ほ、本当ですの?」
湾内と泡浮は、嬉しそうに顔を見合わせた。
「どんな感じでしたの?」
「確かね。あなたみたいな制服を着た人と大人の女性で来ていたかしら.....ドリンクバーで揉めていたから記憶に残ってますよ」

二人は、常盤台の制服を見下ろした。
その制服を着た人と一緒に居たということは、常盤台に知り合いが居るということだ。

「その後は?」
「申し訳ありません。その後にちょっとしたハプニングがらありましてあまり覚えてませんわ」

その後に二人が合流して、大人の女性にドリンクを零してしまい、女性が平然と脱ぎだしたので軽く店内がパニックになり、その少年が何処に行ったかまでは把握していなかった。

更に話しを聞けば、自分が助けられる直前とのことだ。

だいぶ、赤髪の少年に近づいた気がして気分が良くなる。
湾内は、自分の財布から一万円を取り出して、チップ代わりに女性店員に渡そうとするが
「ち、チップは原則的にダメなんですよ。しかもこんなに」
「わたくしの気持ちですわ。受け取ってくださいの」
「ダメです!受け取れません」
まだ喫茶店のシステムをあまり理解していないようである。

取り敢えず、赤髪の少年はこの近くに居ることがなんとなくわかってきた。
先輩により言い渡された濾過タンク点検の日に湾内にとって運命の日となる。

******

そして現在。
湾内さんがサソリに告白するという波乱の展開に病室に衝撃が走った。
「言ってしまいましわ」
顔を赤らめて、幸せそうにサソリのベッドの脇に立っている湾内。
手は自分の頬に付けて、照れ隠しをしているようだ。
「ど、どういう事よサソリ!」
サソリのベッドに備え付けてあるテーブルに手を置いて、御坂が前のめりになる。
「こっちが聞きたいくらいなんだが」
サソリは、ベッドの上であぐらをかいて頬杖を付いている。
「OKするの?しちゃうの?」
佐天がやや興奮したように、サソリに詰め寄る。
「わたくしが言うのもなんですが、湾内さんは気が効きますし、良い子ですのよ」
フワリと口に手を当てて、上品
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ