南方接触事案
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ちまった。
伊賀崎:味方側の反撃はどうでした? こちら側の攻撃の効果は?
工藤:正直、怪しいもんだ。
何せあんな小さな目標に砲撃をするなんて初めてだったし、
動きも早くて近づかれると砲塔が回る前に死角に入られた。
砲撃なんで当たらないし、至近弾でもくたばらずに動き回っていた。
機銃は……言わずもがなだな。
伊賀崎:分かりました。
さて、今日はこの辺にしておきましょう。もうお昼になりますしね。
工藤:なぁ、一つ聞きたいんだが。
伊賀崎:何でしょう?
工藤:あんた、所属はどこだ? 海軍省の人間か?
伊賀崎:私は■■■■■■■■■■■■(検閲および削除)
記録終了
こちらの所属に関して工藤氏には偽装情報が与えられたことに留意して下さい。
事件記録─1932年2月17日
奄美大島から東に150kmの地点で物資運搬船の護衛についていた第十六駆逐隊が水鬼1体と遭遇および戦闘を開始しました。
一時間の戦闘ののち、水鬼の撃破に成功。
※この戦闘による死傷者は発生しませんでした。
※乗組員の証言を総括すると今回遭遇した水鬼の個体は戦闘開始以前から衰弱していたと予想されます。
駆逐艦 蓮華が水鬼の遺体回収活動を開始。
遺体の引き上げの際、水鬼の予想以上の重量の為に乗組員5名が重軽傷を負いました。
後に遺体は回収、甲板に安置されましたが遺体は消失し、研究施設への収容は失敗しました。
目撃情報によると回収から30分ほどで遺体から霧状の黒い煙が発生し、その5分後には遺体は完全に霧散したとの事です。
1930年から1934年にかけての水鬼の動きと被害
水鬼による襲撃事件が世界各地で散発的に発生し、同盟国や諸外国などから報告が寄せられています。
いずれも女性のみの分隊を組み哨戒船舶や民間漁船、貿易船などを襲撃と報告されています。
各国収集の目撃情報における水鬼の特徴は工藤氏の証言に非常に酷似しており、小笠原攻略戦の水鬼と同勢力および別動隊と思われます。
さらに小笠原攻略戦では未確認の飛翔兵器や人型ではない形をとるもの、潜水して姿を隠し襲撃する水鬼の情報がもたらされました。
水鬼の実働部隊に多様性が出てきたところは注目すべき点です。
また水鬼の死後の特性、圧倒的な戦闘力および激しい敵対心と抵抗によりその生態や起源を追跡する試みは今だに成果を出せていません。
この4年間における襲撃活動は日本を含め各国の領海で行われ、全世界で約500万人の犠牲者を出したと推定されています。
また、海上交通路の制圧による経済的影響も無視できない脅威となっています。
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