第35話《隻竜》散る、その先に見た世界
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まだSAOの中にいるようだ。
あとはキリトが《聖夜の輝石》を使い自分を蘇生してくれるのを待つだけ。だがその間に、伝えたい事がある。ライリュウは《リトルギガント》の方へ向き直りーーー
「みんな、何がなんだかまだ分かんねぇけど、これだけは言わせてくれ・・・」
一年と少し前に死んだ友に、どうしてもこれだけは、伝えたいーーー
「守れなくてごめん。力を貸してくれて・・・ありがとう」
これだけ伝えたライリュウは《リトルギガント》に笑顔で見送られて、この虚無の空間から姿を消したーーー
******
第75層・《迷宮区塔ボス部屋》
「さて、次は君の番だ。キリトくん」
ライリュウを撃破した茅場晶彦は、次の対戦相手であるキリトを呼んだ。キリトの側にいるアスナは彼を止めようとしている。たった今、キリトと互角に戦えるライリュウが殺された。今キリトが戦えば確実に殺される。絶対に死んでほしくない最愛の夫の手には、一つの結晶が握られていた。
「いや、俺の出番はまだ来ない・・・」
彼は何を言っているのだろうか。ライリュウを倒したら次はキリトが戦う、ライリュウは敗北した。次はキリト出番のはずだ。キリトは手に握る結晶を前に出し、起動する。それはかつて、たった今死んだ親友に渡したクリスマスプレゼントーーー
「お前とライリュウの戦いはまだ終わってない・・・そうだろ?」
茅場晶彦の目の前に、黄金の光の粒子が現れた。それは少しずつ集合し、形を形成していく。光が消えた瞬間、そこには彼がいたーーー
「そうだろ・・・ライリュウ!!」
「あぁ!もう4、5秒前みてぇには行かねえぞ!茅場晶彦ォォォォォォォ!!!!!」
ーーー復活、《隻腕のドラゴン》。
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